公共交通としてのタクシーの活用可能性に関する基礎的研究
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40福本 公共交通の指標もあるかと思って、バス停の数を入れるなど考えたが、やらなかった。公共交通サービスレベルを示す何かがあるかもしれない。 加藤 単純に人口あたりでタクシーの利用が多いところはどこか? 福本 わからない。 加藤 尾鷲の仕事をしていると多いと言われる。何故かと言うと、1000円以内でだいたい行ける、漁業系なので気が短い、という風に尾鷲市の人は説明をする。なのにデマンドを導入したいということを言うので、タクシー活用をして300円乗合タクシーなどをやったらどうかと提案している。 もしやったら研究会のテーマとしていいですね。 福本 タクシーの利用者数は分かるのか? 山田 交通圏ごとであれば分かるはず。 福本 台数はわかるが。 加藤 台数は供給側指標で、利用者数は需要。従業者数なども併せて分析しておいた方がいいだろう。 山田 表に出していないが、市郡区別での運送収入とか輸送回数については、協会のデータとしては持っている。会員にも公表はしていないが。 福本 それは使えるのか? 加藤 そういうデータがほしいという要求は今までなかったのか? 山田 ない。協会の中で運賃改定のときに使うという程度でしか活用されていない。どういうデータがあるのかということ自体が表に出ていないのが現状。どういうものがあるのかを精査しないと、タクシー業界の実態が浮かび上がってこない。 協会では分析ができないので、行政がある程度集約する形にすればもう少し活用できるだろう。 今は単純に輸送量、台数、といった個別のものしかない。 加藤 タクシー協議会でそういうものをどう分析したら、どうしたらいいかを考えるというのができれば良い。そうすれば協議会の議論が深まる。 今のままやれと言われても、調整だけに終わってしまう。 福本 事業者の意識と地域の状況を分析する前に、地域がそもそもどうなのかがよくわかっていない。 加藤 大きな工場があるところとか、空港、観光施設があるところは多いというのはわかるが。 ちなみに、尾鷲は多いが、熊野は全然ダメ。何が違うのかよくわからない。あえて言うと、尾鷲は坂が多く、熊野は市街地は平地であること。熊野は福祉有償がすごく多い。全国的に珍しく、福祉有償のほうがタクシーより需要が多いというところ。

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