公共交通としてのタクシーの活用可能性に関する基礎的研究
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38そうでない時は拡大したいと思えばできたわけだが、その時とマインドが変わっているのかどうかも気になる。 福本 会社がうまく回っているところは基本的に拡大志向かもしれない。 加藤 なので、明るく考えているか、暗く考えているかということではないか。 樋口 明るいのか、暗いのかということは、新たなサービスをしているかを聞いているので、そのあたりと絡めていくと、事業としてサービスを拡充したくて拡大志向があるのかどうかということと切り分けることができるかもしれない。 福本 あとは、1台あたりの収入などを見たときに、良いところは拡大志向を持っていて、悪いところは縮小志向を持っているということが出るかもしれない。 筒井 4ページで課題の認識とあるが、その中身が聞けていれば、拡大したいのに環境がそうさせないというような前向きの課題の認識と、単純にシュリンクしていく業界だからお先真っ暗だという後ろ向きの課題の認識では捉え方が違うので、それも深堀りしていくと拡大傾向とそうじゃないグループは分けられるかもしれない。 福本 課題は自由回答で回答してもらっていて、ある程度分類した結果、傾向がある。高齢者が増えるとか、交通事故が増えるとか、そういうことを答えているところが多いので、グルーピングしてみれば結果が出るかもしれない。 加藤 5ページで拡大縮小、明るい暗いとの関係について、観光需要のところはマインドが暗いという見方もできる。観光需要というところはクラスターとしては人口も多いが観光需要が多くて事業環境良好となっているが、なぜ縮小なのかということもありそうだが、どう説明できるか。 伊勢志摩、知多、静清だが、静清は観光需要といえるか? 福本 強いて言うならという感じだが。 事業者の規模を見ると、中小企業が多いというのが影響しているかもしれないが。もしくは、観光需要が多いというものの、落ち込みが目に見えるから、昔に比べて悪いというのがあるかもしれない。 加藤 伊勢志摩、知多、静清はぜんぜん違うところ。 福本 別の説明変数を入れてクラスター分析をした方がいいかもしれない。 山崎 事業環境を整理する指標として人口、年間観光客数と、1日あたり乗降客数だが。 加藤 タクシー市場の規模を説明する変数としてこの3つが一般的といえるか? そうであったとしても、観光型については、3つの地域の平均値を示しているので、バラバラという可能性もある。 福本 交通圏単位でやろうとするとデータが結構難しい。市町村単位でやろうとすると按分しなければならないデータが多くなる。そこをどうするかが悩ましい。山崎 事業環境を表す指標として他に何があるかを挙げてもらうとありがたい。

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