公共交通としてのタクシーの活用可能性に関する基礎的研究
32/74
30シー会社に共有できるものはないかと考え始めている。 なるべく小さい半径の中でぶどうのように事業をやっていくというのは、なるべく空走距離を減らしたい。需要を換気して空走距離を減らして、以下に仕事を埋めていくかということを想定した時に、小さい単位で事業をやる。小さい単位とはクルマ1台か2台でアテンダントが2~3人が地域を共有しながらやっていく、そういう小さいスケールなので、今のタクシーの考え方とは全く違う。この人達がいわばクルマをシェアして、地域の会員の面倒を見ていこうというような考え方。もう少し広げると、ある地域においてはNPOみたいなものが地域の自助の近距離移動の仕組みを作る。考え方としてはタクシーとバッティングするものではないと思っていて、どうやって共存していくのか、電車やバスとどうシームレス化するのか、医療機関との連携、異業種との連携で価値を上げていく、それをどうやって事業化していくか。 都会で考えた時に、サスティナブルでありたい。公共交通という議論があったが、地方のバスは市町村がお金を出して運行しているが、お金がどんどん出ていって、長続きできないことにみんなが悩んでいる。これを福祉や弱者のためのものだといってドライブをかけるときは、いろんな援助が必要だが、最終的には事業として、少なくとも自分たちの食い扶持と、事業の再生産ができるような形に持っていかないと意味が無いと思っている。我々がこころタクシーの経営の中にまで足を突っ込んでいるが、どこに経営の問題があって、どこを効率化したらいいかをもう一度ゼロから考え直したいと思っているからである。我々は製造業であるから、カンバンシステムで平準化させているが、それからみると波が大きくて良い時間帯と悪い時間帯の差が大きくて苦しい。これを工夫して何かできないかと思っている。サービス規格を織り込みながら、需要変動を緩和させて収益性を上げていく、収益目標としても労働時間あたり2700円という目標を作り、原価を賄う。今のタクシーの料金体系ではこれはおそらくムリだろう。小さい規模の会社であればバックヤードが大きくてなおムリだろうと思う。そうすると規模の議論になる。規模の議論になると、美味しいところだけを取ってくれば事業として成り立つが、今度は地方などが置き去りにされるという悪循環に入ってしまうので、それは業界にとってよくないことであるから、新しいサービスとの組み合わせを新しいビジネスモデルとして構築して、本当に辛いところは行政の力を借りるしかない。集中投資してある程度美味しいところで稼いでいくというバランスが生まれてこないかと思っている。弊社としては、なにか新しい仕組みを作りたい。 最後の質問の、新しい技術かどうかということに関しては、単純に考えると既存の技術の組み合わせで可能だが、どういうものを提供するか、ソフトウェアにしてもハードウェアにしてもシステムウェアにしても、何を提供するかとい
元のページ
../index.html#32