ゾーン30選定方法に関する研究
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6 2-2-2.形状指数の特徴と生活道路交通事故の関係性 形状指数の算定に使用する街区ブロックデータは、愛知県共用空間データ(H21年度)の街区データである。当該データは街区ブロックごとにポリゴン形式のデータが格納されている。生活道路で発生した交通事故は、愛知県警察より貸与を受けることができた平成19年から23年に豊田市で発生したデータである。本研究では、幹線道路・生活道路の分類を他地域での応用を踏まえて便宜的にデータセットの揃う道路幅員5.5m以上もしくは国県道とした。道路網データはESRI社の提供するデータセットArcGISスタンダードパック2014の公共地図および広域地図に格納される道路網データを使用する。当該データでは、道路幅員情報が1.5~13m以上までの5段階で分けたものが付与されている。このように整理された幹線道路を使用し、その中心線から20mのバッファを作成し、そこに包含される事故を幹線道路での事故、それ以外を生活道路での事故とした。 解析は以下の手順で進める。まず、街区ブロックデータの面積と外周長をGIS上で計算し形状指数を算出する。次に、データを集約する集計単位を行政界(町)とし、それぞれの集計単位に中心点が包含される街区ブロックの形状指数の総和を、街区ブロック数で除した平均形状指数を算定する。最後に、平均形状指数と当該行政界(町)で発生した生活道路事故件数の関係性について回帰分析を通じて検証する。回帰分析は一般的な線形モデルとW. E. Marshalla, at el4)やM. Moeinaddini, at el. 6)などでも確率事象である事故をよく推定するとして使用される一般化線形モデルの2パターンから検証する。一般化線形モデルの確率分布は交通事故の予測に使用されることが多い例えば11)ポワソン分布と負の二項分布を使用する。使用するGISはESRI社のArcGIS 10.2である。また回帰分析には統計ソフトウェアであるR(version3.1.2)および統計パッケージMASSを使用する。 平均形状指数の算定結果を図2-4に示す。図2-4は特に豊田市中心部の状況を抽出したものである。ここに示されるように、行政界(町)の街路形態がグリッド形状であるほど平均形状指数が高く、グリット形状から離れると値が徐々に低下することがわかる。また行政界(町)の街路密度が低いと平均形状指数が極端に低い値を示している。このように形状指数は生活道路ネットワークの特徴を、特にグリット形状からの乖離という視点から定量的に活用できることが示唆された。 次に、形状指数と生活道路での交通事故の関係性について回帰分析により整理した結果を表2-1に示す。いずれのモデルにおいても平均形状指数は有意(P<0.01)となっており、生活道路での交通事故を表現する指標と十分なりうることがわかる。平均形状指数の偏回帰係数、推定値はいずれも正の値を示しており、当該値が高くなればなるほど交通事故が増えることがわかる。平均形状指数の上昇は、生活道路網がグリット形状を示していることを意味しており、グリット形状であるほど交通事故が増えるということを表現している。この結果はH. Marks3)やW. E. Marshalla, at el4)の成果を支持するもので、当該指標は活用の妥当性があるものとみて差し支えないと判断できる。

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