ゾーン30選定方法に関する研究
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19 4.まとめ 本研究により得られた知見を以下のように整理する。 (1)生活道路のネットワーク特性を客観的に表現する指標について検討を行い、特に、形態的指標のひとつである形状指数に着眼した。結果、当該指標は生活道路ネットワークの特徴を、特にグリット形状からの乖離という視点から定量的に表現できることを示した。 (2)形状指数と生活道路での交通事故の関係性について回帰分析により整理した結果、平均形状指数の高さが生活道路での交通事故の増加につながることを示した。 (3)周辺土地利用と道路ネットワークから見た生活道路での交通事故の発生レベル予測モデルについて、ポワソン回帰、負の二項回帰、重回帰の3つのモデルから検討した。結果、負の二項回帰モデルの当てはまりがよいことを示した。また、当該モデルの考察を通じて、人口が多く、街路形態がグリット形状で、交差点が多く、近隣商業地域に指定される地域において生活道路での交通事故抑制の観点から面的な速度抑制を積極的に推進すべきであることを提案した。 本研究は、一般に入手可能なデータから導出されているため、容易に応用が可能である。ただし、当該成果は豊田市の生活道路における交通事故発生状況を前提とするモデルであるため、他地域での適用と検証を慎重に行うなどの一般化に向けた対応が重要である。また、本研究で提案した負の二項回帰モデルは、予測値が過分散であるなどの課題を有している。この点については、上述のようにランダム効果を考慮できる一般化線形混合モデルへの拡張も検討に値する。また、本モデルにおいては、交通事故との強い関連性が予想される通過交通の影響も考慮できていない。この点についても今後の課題であるといえる。
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