ゾーン30選定方法に関する研究
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11 を生活道路とした。結果の図3-1に示す。 使用するデータの一覧を表3-1に示す。目的変数である交通事故件数は、愛知県警察より貸与を受けたものである。ここでは2-2-2同様、幹線道路中心線から20mのバッファを作成し、そこに包含される事故を幹線道路での事故、それ以外を生活道路での事故とした。 説明変数は先に整理した交通事故との関連性が認められる周辺土地利用および道路ネットワークに関連する指標である。接続ノード数(Link to node ratio)は、Ewing, R20)によって提案される任意地区のネットワーク接続性を評価する概念である。具体的には、図3-2に示すように任意地区内のノード総数に対するリンク総数で算出される。値が小さければ当該ネットワークはクルドサック(袋小路)などが多用されていることが予想され、通過交通の少ない安全性が高い地域であるといった評価ができる。本研究においては分析単位におけるリンク総数に対するノード総数から算出した。 幹線道路車線数は、当該エリア内の車線数別幹線道路延長を考慮した平均幹線道路車線数を使用する。具体的には当該エリア内の車線数別幹線道路延長を算定し、当該エリア内の全幹線道路延長に占める当該車線数の延長で重み付けした平均幹線道路車線数という指標を導出した。なお、本研究では使用するデータセットの制約上、道路幅員5.5m~13.0m未満の幹線道路を2車線、道路幅員13m以上の幹線道路を4車線とした。 平均形状指数は2-2で算出したものを用いる。具体的には、道路に囲まれた街区ブロックデータの面積と外周長をGIS上で計算し形状指数を算出し、それぞれの集計単位(町)に中心点が包含される街区ブロックの形状指数の総和を、街区ブロック数で除した値を平均形状指数とした。 ところで、交通事故の実数を予測する場合、面積の要素を組み入れる必要があるので、人口密度は人口に、近隣交差点密度は交差点数に変更し解析を行うこととした。また、人口指標については、わが国で急速な進展が予想される高齢化の影響を組み入れることが将来的な予測を勘案できる上で有用であると考えられるため、各メッシュの高齢化率を新規に組み入れることとした。 以上の分析単位であるメッシュデータ、説明変数のデータは他地域での汎用性を考慮し、ESRI社より市販提供されるデータセットArcGISスタンダードパック2014の基本統計、公共地図および広域地図に格納されるデータを使用した。 以上のデータセットを用いて生活道路での事故予測モデルを構築した。目的変数となる交通事故はその重要性、生活道路での特徴も考慮しつつ、全事故、出合頭事故、歩行者・自転車事故、死亡・重傷事故の観点から整理することとした。使用するモデルは、先の整理のとおり一般化線形モデルであるが、比較のため線形モデルでも行うこととした。一般化線形モデルにおいては、ポワソン回帰と負の二項回帰モデルを、線形モデルにおいては重回帰モデルを構築する。解析に使用するGISは、2-2-2同様ESRI社のArcGIS 10.2である。またモデル構築には統計ソフトウェアであるR(version3.1.2)および統計パッケージMASSを使用する。

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