ICTを活用した速度提示に関する社会実験(その1)
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635-2-5.解析対象車両への他車・歩行者等の影響 解析対象車両への他車、歩行者等の影響について表5-7に示す。群間で差があまりみられず、比較するに際しての条件が整っていると考えられる。 表 5-18 対象車両における対向車、歩行者等のあった割合 午前 午後 対向車あり 歩行者あり 対向車あり 歩行者あり 事前 0.590.100.70 0.20パターン1 0.530.200.64 0.17パターン2 0.520.180.77 0.17 5-2-6.平均速度 図5-21、5-22に平均速度の変化について示す。群間の平均値の差を検定する一元配置分散分析の結果をみると、午前は100m~90mの区間を除いて有意差が、午後も最上流の100m~80m、最下流の-40m~50mの区間を除いて有意差があることがわかる。まず午前に着目するとパターン1、2は事前と比べ対象区間の全域に渡って2~3㎞/h速度が低下している。また、パターン1とパターン2に大きな差は見られない。次に午後に着目すると、パターン1は事前と比べて対象区間の全域に渡って2~3㎞/h速度が低下している。またパターン2は事前と比べてDSDSの50m手前の地点から下流側で1~2 ㎞/h速度が低下している。 表5-19、5-20は群間の多重比較の結果を示す。まず午前の結果をみると、事前とパターン1にはほとんどの区間で有意差がみられた。また、事前とパターン2には多くの区間に渡って有意差がみられた。他方、パターン1とパターン2にはすべての区間に渡って有意差があるとはいえなかった。次に午後の結果をみると、事前とパターン1には多くの区間において有意差がみられた。また、事前とパターン2にはDSDS付近において有意差がみられた。他方、パターン1とパターン2にはDSDS設置手前50~80m付近で有意差がみられた。 以上のように、刈谷市同様、豊田市においてもDSDSは設置区間を走行する車両の平均速度を広域に渡って低下させるとともに、その表現・表示方法を工夫することでその効果を高めることができるといえる。ただし、その低下程度は刈谷市より低い結果となった。

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