ICTを活用した速度提示に関する社会実験(その1)
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48 5-1-6.平均速度 図5-5、5-6に平均速度の変化について示す。群間の平均値の差を検定する一元配置分散分析の結果をみると、午前は対象としたすべての区間で有意差が、午後も100m~90mの区間を除いて有意差があることがわかる。まず午前に着目すると、パターン2は他と比べて対象区間の全域に渡って5㎞/hほど速度が低下している。また、パターン1は事前と比べて大きな差は見られない。次に午後に着目すると、パターン2は事前と比べて対象区間の全域に渡って4km/hほど速度が低下している。また、パターン1は事前と比べて対象区間の全域に渡って2km/hほど速度が低下している。 表5-8、5-9は群間の多重比較の結果を示す。まず午前の結果をみると、事前とパターン1にはほとんどの区間で有意差があるとはいえないことがわかる。一方で、事前とパターン2にはほとんどの区間に渡って有意差がみられた。まだ、パターン1とパターン2にはすべての区間に渡って有意差がみられた。次に午後の結果をみると、事前とパターン1にはDSDS付近において有意差があった。一方で、事前とパターン2にはほとんどの区間に渡って有意差があった。さらにパターン1とパターン2にはほとんどの区間に渡って有意差があった。 以上のように、DSDSは設置区間を走行する車両の平均速度を広域に渡って低下させるとともに、その表現・表示方法を工夫することでその効果を高めることができるといえる。 【参考】一元配置分散分析 3群以上の平均値に統計的に有意に差があるかどうかを検定する方法。各群の分散が等しい場合に適用できる。 【参考】多重比較 独立した群が3群以上あるとき、どの群とどの群の平均値に有意差があるかを検定する方法。多重比較検定は、2群比較のためのt検定の拡張版であり、比較の数が増加する(=2群ずつの検定を繰り返す)ことによる第一種の過誤(差がないのに差があると判定)の増大を調整するために使用される。

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