ICTを活用した速度提示に関する社会実験(その1)
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1248.効果のまとめと適用課題の整理 ここでは、DSDSの整備による効果のまとめとDSDSを適用するうえでの課題について整理する。 8-1.効果のまとめ (1)交通量 DSDSの設置によって全体の交通量、トラックなどの生活道路の通過が抑制されるべき特定車両の交通量に変化は見られず、効果は確認できなかった。 (2)走行速度 DSDSの設置によって、設置箇所周辺だけでなく、設置前後の広範囲に渡って走行速度の低下、30km/h以下へ誘導する効果が確認できた。また当該情報提供の意味を伝える「ゾーン30」という表示の併記は、当該効果をより高めることが確認できた。これは、一般的な速度抑制策(ハンプ、狭さくなど)に見られる速度回復行動が確認されず、設置箇所を工夫することで効果の影響範囲を大きくできる可能性がある。 (3)受容性 DSDSの受容性は概ね高く、また継続的設置への希望も高い。また表示次第でゾーン30の認知向上に向けた効果も期待できる。費用対効果についての説明次第では、更なる普及が期待される可能性もある。 【参考】物理デバイス通過時の速度変化 物理デバイスの多くは、設置地点において極めて大きな効果が期待できるものの、その地点を通過してしまうとその効果が急速に低減する場合がある。例えば下に示す豊田市で実施された実験のハンプの場合、車両が30m走行する間に20km/h以上の減速が確認できるが、ハンプ通過後20m程度で最初の速度に戻ってしまうことが確認できる。

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