ICTを活用した速度提示に関する社会実験(その1)
106/133

1027.住民意識調査の結果(クロス集計) 先の単純集計の結果からも明らかなように、住民意識調査においては刈谷市、豊田市でその傾向に大きな違いがみられなかったことから、クロス集計は、刈谷市のデータのみを用いて実施する。分析は主に以下のような視点から行う。 (1)年齢による影響 今後の高齢化の進展を見据え、回答者を年齢により2群(65歳以上の高齢群と65歳未満の非高齢群)に分け、両群による回答傾向の違いを整理する。 (2)家族構成による影響 子供のための安全な空間整備を見据え、回答者を幼児・児童と同居するか否かにより2群に分け、両群による回答傾向の違いを整理する。 (3)DSDSの体験頻度による影響 DSDSの常設化による体験頻度の増大による効果への影響を見据え、回答者をDSDS設置路線の通行頻度(高頻度群(週1日以上)と低頻度群(月2日以下))により2群に分け、両群による回答傾向の違いを整理する。 7-1.年齢による影響 7-1-1.ゾーン30に関する意識 図7-1に高齢・非高齢別の東刈谷小学校周辺のゾーン30の認知状況について示す。両群の差について独立性の検定を実施したところ、ゾーン30の認知状況は高齢・非高齢の違いによって差はみられなかった。 図7-2に高齢・非高齢別の東刈谷小学校周辺のゾーン30による速度抑制効果の有無について示す。両群の差について独立性の検定を実施したところ、ゾーン30による速度抑制効果は高齢・非高齢の違いによって差はみられなかった。 図7-3に高齢・非高齢別の東刈谷小学校周辺のゾーン30整備後の回答者の速度遵守意識および行動変容の有無について示す。両群の差についてフィッシャーの正確確率検定を実施したところ、5%水準で有意差があった。ゾーン30による速度遵守意識および行動変容は高齢・非高齢の違いによって差があり、高齢者はゾーン30の整備によってより速度を意識し、速度を遵守しようとすることがわかる。

元のページ  ../index.html#106

このブックを見る