平成25年度 走行実態に基づいたスマートドライブの提案に関する研究
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44 4-4.燃費改善要因の評価 前節では、運転操作以外の燃費影響要因が含まれる可能性が示唆されたことから、本節では、これらの要因をできる限り取り除いた上で、燃費改善と運転操作の変化について考察を行った。 4-4-1.評価データの選定 (1)データ期間の選定 情報提供のないターム1と、情報提供を行ったターム3のデータを比較して、燃費改善効果と運転操作の変化について解析を行うこととした。ただし、ターム3のデータは、約3ヶ月間(グループ4の場合)から8ヶ月間(グループ1の場合)と長期間に渡っており、気温変化の影響など運転操作以外の燃費影響要因を含んでいると考えられる。そこで、これらの影響をできる限り少なくするため、ターム3のデータのうち、はじめのターム1と同じ日数のデータのみに限定して用いることとした。以後、ターム3データとは、このように期間を限定したデータを指すものとする。なお、Webによる情報提供のみを行ったターム2よりも、LEDインジケータによる情報提供を加えたターム3において燃費改善効果が大きかったため、ターム3のデータのみを用いることとした。 (2)走行経路の選定 運転操作以外の燃費影響要因として、利用データ期間に関連する気温変化等のほかにも、走行経路の違いや利用頻度の違いがあると考えられる。例えば、高速道路を利用した長距離走行は、市街地走行に比べて燃費が良く、長距離走行の頻度が高いタームでは燃費が良いということになる。 本研究では、燃費改善効果の大きい参加者に注目して、実際に、燃費向上に寄与した運転操作の変化を具体的に明らかにすることを目的としたため、評価に用いるデータには、できる限り運転操作以外の燃費影響要因が含まれていないことが好ましく、各参加者が日常よく利用する主要な経路に限定して評価を行うこととした。 日常よく利用する頻度として、各タームで、ターム日数の半分以上の利用があることとし、グループ1では10トリップ以上、グループ2,3,4では7トリップ以上とした。また、同一経路の判定は、同一の起点・終点の組合せを持つトリップを、プログラムを用いてほぼ自動で判別し、走行地点がわからない方法で経路の同一性を判定するなど、参加者のプライバシーに配慮した方法とした。 結果として、上の条件を満たす参加者は19名おり、その内訳は、ガソリン車9名(6車種)、ハイブリッド車10名(3車種)であった。 巻末の参考資料に、同一の起点・終点の組合せを持つトリップから、経路別にまとめた

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