平成25年度 公共交通としてのタクシーの活用可能性に関する基礎的研究
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ではできないときしか認めないというはずだが、なぜ競合が問題となるのか。このあたりは有償運送の見直しの中でも議論となっていて、タクシーではできないという意味を厳密に捉えようという話もある。 有償運送は補助を受けているところが多いが、中部地方もそうか? 小松田 そういう所が多い。 加藤 タクシー会社に補助をしているという話は聞いたことがない。 山田 法律的には定義されたが、タクシーを公共交通として位置づけようという意識が無いと言うことだと思う。 田舎の高齢者はタクシーのことをハイヤーという表現をする認識であり、個別にオーダーして運んでもらうという、プライベートな色彩の方が高いという状況。 山崎 子どもの頃からタクシーは特別な乗り物という意識がある。 加藤 タクシーは高いものという意識はある。妻はタクシーばかり使っていたので高いという意識はない。 子どもを病院や塾に送っていくのに使うとすごい金額になってしまう。親と一緒に行くということを考えると、往復使うから倍かかる。片道だけきちんと連れて行ってくれるとかいうものがあると良い。 福本 東京でこころタクシーの取り組みがあり、そういうことをやっている。 山崎 料金が問題。 福本 一番問題なのは、料金の割に満足度が低いこと。 こころタクシーは料金はタクシーと変わらないが、会員制でサービスのクオリティを高めて満足した人しか相手にしないということをやっている。 山田 我々も会員に話をするが、バスは初乗り160円や200円を支払えばそれなりと感じられるが、タクシーはボタン一つで初乗り中型680円を設定しており、金額的な乖離がある。 680円を払って良かったというだけのクオリティを上げていかないと生き残れない。高いといわれるが、それで良かったといわれるような事業展開をしていかないと生き残っていけないと言い続けている。 680円を払って良かったといわれるようにしていかないと、贅沢な乗り物で普段使いに向かないということになる。その金額を払っても乗りたいと思える乗り物にしていかないと生き残れないし、自治体の方にも手をさしのべてもらえないと思っている。 山崎 タクシーに対して自治体が補助していく理由をどうつけていけば良いのか。 山田 デマンドでやっている例を聞いていると、利用される方から停留所までではなく、目的地までデマンドでつないで欲しいという声が出てくる。それを仕組みを工夫して、タクシーでもお金が出せる仕組みを考えるきっかけにしてもらえ80

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