平成25年度 公共交通としてのタクシーの活用可能性に関する基礎的研究
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2.タクシーに関する既往研究 タクシーに近い移動手段として、近年、デマンド交通やSTS(Special Transport Service)に関する研究が多く行われるようになってきているが、タクシー自体を扱った研究は少ない。 これらの研究の視点としては、1)タクシーの規制緩和よる諸問題に焦点を当てたもの、2)都市交通におけるタクシーの役割に関するもの、に大別できる。 (1)規制緩和に関する文献 タクシーをはじめとする運輸産業の規制緩和について概観したものとして、山内 [1]などが、規制緩和後の状況についてまとめたものとして、岡田 [2]などが、規制緩和後の問題について扱ったものとして、戸崎 [3]などがある。また、規制緩和以後に生じたさまざまな問題への対応のために、2009年にタクシー事業の適正化及び活性化に関する法律(タクシー適正化・活性化法)が施行されたが、この法律の制定に至る経緯についてまとめたものとして本田 [4]がある。 (2)都市交通におけるタクシーを取り扱った文献 都市交通におけるタクシーの利用実態の分析や、役割について検討した研究は数が少ない。都市内の近距離移動におけるタクシーの利用選好や利用意向について検討したものとして森ら [5]、宮坂ら [6]がある。タクシーの交通実態について検討したものとして、塚田ら [7] [8]がある。タクシーに関する統計データなどを分析し、都市交通における役割について検討したものとして井上ら [9]の研究が存在する。 これらのほかに先に述べたデマンド交通やSTSとの関係においてタクシーに言及したものが見られるが、タクシーの持つ特性そのものを活かしつつ、地方都市における地域公共交通としての活用を念頭に置いた研究は行われているとは言えない状況である。 このようにタクシーに関する研究が活発に行われていない背景として、民間事業者の営利事業として成立しているため行政施策として介入する必要性が低く、研究へのニーズが少なかったことが考えられる。 3
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