平成25年度 スマートハウスを生かしたエネルギーマネジメントに関する基礎調査
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11.はじめに 豊田市は、2009年1月に環境モデル都市に選定されて、低炭素社会の実現に向けた先進的な取り組みを進めている。2010年から実施されている豊田市低炭素社会システム実証プロジェクト(5ヵ年)では、生活者の行動動線に沿って、暮らしの核となる「家庭内」から「移動」、「移動先」、さらにこれらを統合した「生活圏全体」を捉えて、社会全体でのエネルギー利用最適化を目指した各種実証実験が進められている。豊田市低炭素社会システム実証実験の概要(参考文献 1-1)を参考文献 1-1に示す。 そのうち、家庭エネルギー分野では、2011年から、東山、高橋地区に実証用住宅として67棟のスマートハウスを分譲し、太陽光発電の活用によって、住宅単体でCO2排出量を70%以上削減(2005年比)することを目標に実証実験を行っている。 実証用住宅では、プラグインハイブリッド車(PHV)または電気自動車(EV)が貸与され、移動手段としてだけではなく、蓄エネ装置としての活用が模索されている。また、HEMS(Home Energy Management System)を核として、創エネ、省エネ、蓄エネ機器が制御され、収集したデータをもとに、生活者の低炭素行動を支援する見える化と行動提案を模索している。 そこで、本調査では、交通まちづくりの視点からみたスマートシティのあり方を提案するという長期的な視野で、豊田市低炭素社会システム実証プロジェクト実証実験に参画し、実証実験で得られる各種データを活用して、PHVやEVの普及と活用、さらに、交通行動全般に与える波及効果の評価に主眼をおいた研究の基礎調査を行うことを目的とした。調査のフローを以下の図 1-1に示す。 テーマ案の事前検討(第2章)スマートシティに関するレビュー(第3章)データの収集(第4章)具体的なテーマ内容の検討(第5章)パーソントリップデータの整理(第6章) 図 1-1 調査フロー 参考文献 参考文献 1-1 豊田市低炭素社会システム実証協議会パンフレット、豊田市低炭素社会システム実証協議会、2014年3月発行

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