平成25年度 スマートハウスを生かしたエネルギーマネジメントに関する基礎調査
14/141

12資料 3-1 海外のスマートシティレビュー(続き) 94-1ドイツE-Energy104-2オランダーアムステルダム・スマートシティ・プロジェクト(ASC)ー(1)オランダがASCを取組む背景・目的アムステルダム市は、欧州の他都市に先立って「Intelligent City」の実現を目指してASCプログラムを策定。(2006年検討開始、2009年プロジェクト始動)このプログラムは、包括的で調和のとれたアプローチにより、持続可能、かつ経済的に実行可能なプロジェクトを企画、実行することによりcarbon footprintを削減し、EU気候変動・エネルギー政策「EU 2020Package」で設定された目標達成に貢献することを目的としている。オランダは更に意欲的な目標を設定しており、2015年までにアムス市役所のCO2排出量をゼロにし、2025年までに再生可能エネルギーが全体の20%を占め、最終的に(2025年)までに1990年比でCO2を40%削減することを目指している。"Carbon footprint"は「炭素の足跡」を意味する言葉で、日本では英語の読みをそのまま用いて「カーボンフットプリント」と呼んでいる。1990年代に、人間活動が環境に与える負荷を資源の再生産や廃棄物の浄化に必要な面積として表す、エコロジカル・フットプリント(Ecological footprint)という概念が提唱された。一方、Carbon footprintという言葉はEcological footprintの由来と同じく、「人間活動が(温室効果ガスの排出によって)地球環境を踏みつけた足跡」という比喩からきており、一般的に製品が販売されるまでの温室効果ガス排出量によりあらわされる。両者を比較すると、エコロジカル・フットプリントは面積で表すが、カーボンフットプリントは温室効果ガス排出量(重量)で表す。前者は国家や行政区画などの大規模なコミュニティ単位で環境負荷を考える際に、面積で表すのが分かりやすいのに対し、後者は個人や企業単位で考え、単に排出される温室効果ガスの量を量れば良い(エコロジカル・フットプリントのようにさまざまな種類の環境負荷をとにかく1つの単位に換算する必要がない)。よって、二酸化炭素の排出量を表すのに用いる重量をそのまま用いている訳だが、両者が混同されて誤解を招きかねないことや、「フットプリント」の意味から考えても、カーボンウェイトとすべきだという批判もある。

元のページ  ../index.html#14

このブックを見る