道路交通環境下における知的障がい者の交通コミュニケーション能力の把握とその応用
57/93

55 (2)対車(対向車)とのコミュニケーション結果 クルマとのコミュニケーションが発生しない1周目と発生する2周目の横断前滞留時間・横断前左右確認回数・横断時間の変化量を集計した。集計結果を図 3-17に示し、特徴的な事象を次に整理する。被験者別の結果を表 3-23~表 3-31に示す。 • 横断前の滞留時間は、クルマとのコミュニケーションによって知的障がい者4名、健常者3名の滞留時間が増加した。 • 横断前に左右を確認した回数は、3名の知的障がい者で確認回数の増加がみられたが、健常者での増加はみられない。 • 横断時間については、被験者が横断するまでクルマが待っている状況であったため、知的障がい者・健常者ともに減少傾向がみられるが、1名の知的障がい者の横断時間が増加した。 • 知的障がい者は、『車を気にせず渡ってしまう(+慌てて横断歩道に飛び出るのではないか)』という状況はみられず、対向車がいる場合、慎重に横断する傾向がみられる。 43312227443442450%10%20%30%40%50%60%70%80%90%100%知的障がい者(N=9)健常者(N=9)知的障がい者(N=9)健常者(N=9)知的障がい者(N=9)健常者(N=9)横断前滞留時間横断前左右確認回数横断時間増加変化なし減少 図 3-17 クルマとのコミュニケーションによる横断事象の変化

元のページ  ../index.html#57

このブックを見る