道路交通環境下における知的障がい者の交通コミュニケーション能力の把握とその応用
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49 3-4-5.交通コミュニケーション能力の計測結果 (1)対人(対向者)とのコミュニケ―ション結果 知的障がい者9名の被験者のうち、3名が「自ら避ける」、2名が「停止してすれ違いを停止して待つ」、4名が「自ら避けない」であった。一方、健常者9名の被験者のうち、4名が「自ら避ける」、5名が「すれ違いを停止して待つ」であった。これらの結果を踏まえると、本研究で設定した仮説の通り、知的障がい者は対向者がいても自ら避けない傾向がみられる。以下、回避方法の分類別に特徴を整理し、被験者別の結果を表 3-14~表 3-22に示す。 342540%10%20%30%40%50%60%70%80%90%100%知的障がい者(N=9)健常者(N=9)自ら避けるすれ違いを停止して待つ自ら避けない 図 3-16 対向者と遭遇した時の回避方法 ①自ら避けない被験者(4名) ・1名はA判定、3名はB判定。 ・2名は自閉症、2名はダウン症及びその他の染色体異常。 ・4名とも対向者がいる場合、ぶつからない様に教えている。 ・4名とも「公共交通機関を利用して決まった場所に一人で行ける」 ・2名は「事態の変化には対応できないが、社会のきまりに従って行動できる」が他2名は「充分ではないが指示されれば体操やボール蹴りなどの集団行動ができる」 ・2名は対向者の有無によらず直進的に歩行し、歩道を出ないように対向者のギリギリを歩く。2名は対向者の存在により通行位置を決めるために蛇行し、歩道を出ないように対向者のギリギリを歩く。 ②すれ違いを停止して待つ被験者(2名) ・2名ともB判定で、1名はAD/HD(注意欠陥/多動性障害)。 ・1名(被験者D)は、クルマや人とのすれ違いが苦手で過ぎるのを待つように教えており、移動時の介助は全く必要ない。 ・もう1名(被験者E)は、対向者がいた場合の対応を特に教えていないが、移動時の介助は必要な場合がある。

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