道路交通環境下における知的障がい者の交通コミュニケーション能力の把握とその応用
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42 (2)仮説の設定 知的障がい者は、車道と歩道の区別がつかずジグザグに歩いたり、横断歩道が無ければ横断する箇所が分からないといった空間的な構成要素を起因とする課題と、前章アンケート調査から明らかとなった能動的意思疎通能力や突発的変化への対応能力の低さに課題がみられる。 そこで模擬市街地における実証実験では、知的障がい者の単路部の歩き方と交差部の横断方法を主な調査項目として設定し、表 3-7に示す仮説のもとコミュニケーションの有無別の交通行動を計測する。コミュニケーションの発生場所を図 3-13、状況の様子を写真3-1~3-3に示す。 表 3-7 コミュニケーション時の行動仮説 コミュニケーション 仮説 ①対人(対向者) 直進的に歩行し、衝突する危険性がある。 ②対車(対車両) 車を気にせず渡ってしまう。 (慌てて横断歩道に飛び出るのではないか) ③対物(障害物) 道を塞がれたら迷ってしまう。 コミュニケーション①対向者コミュニケーション②対車両コミュニケーション③対物 図 3-13 コミュニケーションの発生場所

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