道路交通環境下における知的障がい者の交通コミュニケーション能力の把握とその応用
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33 3-3-2.介助者の教育方針と知的障がい者の特徴の関係性 図 3-8は主成分分析によって集約化された介助者の教育方針と個人属性の関係性を示している。まず、性別、年齢との関係性をみると、総合教育量は年齢による差が大きく、特に高齢、若年で多いこと、61歳以上の高齢となると外出抑制型教育が重視されていることがわかる。次に障がいの程度、知的障がい以外の症状との関係をみると、総合教育量は障がいの程度では差があまりなく、知的障がい以外の症状によって差が出ること、脳性マヒやダウン症などは外出抑制型、AD/HDなどは外出促進型の教育がとられていることがわかる。次に、多動・攻撃・自傷・破壊・収集などの特性との関係性をみると、総合教育量と対人攻撃、多動、自傷、対物破壊性は比例すること、対人攻撃、多動、自傷、対物破壊性があると外出抑制型教育が重視されることがわかる。 図 3-9、図 3-10は介助者の教育方針と日常生活能力の関係性を示している。これをみると、いずれの日常生活能力も深刻化すると総合教育量が多くなり、外出抑制型教育が重視されることがわかる。 図 3-11は介助者の教育方針と交通手段別の交通行動の関係性を示している。まず、同行の必要性との関係性をみると、総合教育量は同行の必要性に比例するが、時々必要とされる場合は特に外出促進型教育が重視されることがわかる。次に外出の程度との関係をみると、外出促進型教育が重視される場合、路線バス、鉄道、自転車の頻度が多く、外出抑制型教育が重視される場合、自家用車、送迎バスの頻度が多いことがわかる。 以上をまとめると、以下のようになる。総合教育量は、年齢、知的障がい以外の症状、対人攻撃、多動、自傷、対物破壊性などの個人属性によって異なるとともに、日常生活能力や同行の必要性と比例関係にあることがわかった。他方、教育の内容については、高齢、脳性マヒ、ダウン症などや多動などの特性があり、日常生活能力が低いと外出抑制型教育が重視され、外出抑制もしくは促進の教育のスタイルによって使用する交通手段の頻度に大きく差が生じることがわかった。
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