道路交通環境下における知的障がい者の交通コミュニケーション能力の把握とその応用
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21 2-3.知的障がい者の道路環境下での課題事象の特徴整理 上記のように、知的障がい者の道路環境下での課題事象がある程度整理された。ここではそれらの結果を踏まえた知的障がい者の道路環境下での課題事象の特徴を整理する。 2-3-1.道路交通環境下での課題事象 ここでは、歩道、車道環境と公共交通環境のそれぞれの視点から整理する。 ①歩道、車道環境 対人的課題については、相手からの意思疎通(注意)には対応できる場合があるが、自ら相手に意思疎通(注意)を試みることは比較的難しいこと、交通空間的課題について恐怖を感じている方は少なくないこと、交通システム的課題については、信号制御や道路工事などの突発的変化に少なくない方が対応できないことなどが明らかとなった。 ②公共交通環境 対人的課題については、5割程度の方が緊急時などにその問題を相手に伝えられないばかりか、相手からの対応が適切でない場合は更なる混乱を生じさせてしまうこと、交通空間的課題については、少なくない方がバス、電車等で立ち続けることが困難であること、交通システム的課題については、大半の方が一人での療育手帳の提示、切符の購入、時刻表の理解が困難であることなどが明らかとなった。 2-3-2.介助者の教育方針 1)同様、歩道、車道環境と公共交通環境のそれぞれの視点から整理する。 ①歩道、車道環境 交通空間的課題を原因に外出を抑制させる教育方針を多くの介助者が採用していること、車道や歩道の通行時は交通量の多い所を避け、歩道のあるところを優先させ、横断時には歩行者信号を目印として用いる介助者が多いこと、少なくない介助者が知的障がい者単独での外出は教育していないことなどが明らかとなった。 ②公共交通環境 公共交通の利用を抑制させるといった教育方針は多くの介助者に採用されていないこと、乗車時の教育は、乗車位置、時間等の固定が中心であること、約半数の介助者は知的障がい者単独での利用は教育していないことなどが明らかとなった。
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