道路交通環境下における知的障がい者の交通コミュニケーション能力の把握とその応用
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18 (4)介助者の教育方針 ここでは、交通目的を達成するために道路交通環境下における教示などの介助者の教育方針について、先のヒアリング等から整理した項目で「そのとおり」から「そうではない」の5段階尺度で回答を得た結果について示す。 図 2-14は歩道、車道環境での移動の際の教育方針について示している。まず「危険な運転をする車や自転車が怖いため一人ではあまり外出させないようにしている」や「危険な運転をする車や自転車が怖いため一人ではあまり外出させないようにしている」といった交通空間的課題を原因に外出を抑制させるといった教育方針については、3~4割程度が採用している傾向が見受けられる。特に夜間の外出は6割以上の介助者がさせない方向であることが窺える。また自転車利用も抑制させている傾向が見受けられる。次に車道や歩道の通行時の教育方針については、交通量の多い所を避ける経路であるとか、歩道のあるところを優先的に教育している傾向が窺える。また横断時の教示として歩行者信号を用いる方が多く、全体の7割を占めた。次に一人での外出のための教育実態について伺った結果では、歩行によるものでも4割、自転車にいたっては7割の介助者が教育をしていないという実態が浮き彫りとなった。 次に図 2-15は公共交通での移動の際の教育方針について示している。まず乗降までの道路環境や運転手の対応、もしくは乗降の仕組みといった課題を原因に公共交通の利用を抑制させるといった教育方針はあまり採用されておらず、おおよそ1~2割程度であることがわかった。それに対して、乗車時の教育は、乗車位置、時間等を固定するなどする教育を3~4割程度の介助者が実施している傾向が窺える。次に一人での利用のための教育実態について伺った結果では、鉄道、バスに限らず5割の介助者が教育をしていないという実態がわかった。

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