通勤における自転車利用促進に関する研究
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88(2)体力的な項目に関する懸念事項 体力的な項目に関する懸念事項に対する意識の変化を以下に示す。 【結果】 · 坂道走行については懸念事項と感じる人と感じない人とが同程度の割合、重たい荷物の運搬については懸念事項と感じる人の割合が多く、体力的な負荷については、懸念事項と感じない人の割合が多かった。また、ほとんどの項目で意識の変化は確認できなかった。 · 通勤距離と体力的な負荷との関係も確認したが、特徴的な傾向はみられなかった。 · ヒアリングでは、「始めた当初は坂道や体力的なきつさを感じたが、その後あまり感じなくなった。」との意見も聞かれた。 表 4-8 体力的な項目に関する懸念事項 No. 5) 坂道 6) 重い荷物運搬 7) 体力負荷 通勤距離(km) 初回 最終 初回 最終 初回 最終 チャレンジャー 1 4 4 4 4 4 4 16.3 2 2 2 4 5 2 1 11.2 7 3 2 5 2 2 1 9.0 8 4 5 4 4 4 3 2.5 10 1 1 3 3 2 2 9.5 11 4 4 5 5 2 3 2.6 12 2 3 2 2 1 2 2.8 13 4 4 4 4 3 4 1.8 14 2 3 4 4 1 3 3.4 15 3 3 4 4 3 3 6.2 19 4 4 4 4 3 3 4.3 24 4 2 3 4 3 2 2.1 25 4 5 4 3 3 3 3.1 Av 3.2 3.2 3.8 3.7 2.5 2.6 5:非常に大変(不安)、4:まあ大変、3:どちらでも、2:あまり大変でない、1:全く大変でない 青枠:続ける中で懸念事項が改善した項目(初回4or5→最終1or2or3) 橙枠:新たに懸念事項となった項目 (初回1or2or3→最終4or5) 【考察】 · 自転車通勤に転換しない理由のひとつに、「坂道があってしんどい」など体力的な負荷を挙げる人がいるが、自転車通勤に慣れることで懸念事項と感じなくなる項目と想定していた。しかし、アンケート結果からは、そのような結果は得られなかった。体力的に問題ないモニターが多かったためと推測される。 · ただし、過去に自転車通勤をしたことがないNo.2,12,24のモニターの意識の変化を確認すると、No.2(初回2→最終1)、No.12(初回1→最終2)、No.24(初回3→最終2)と3名中2名は懸念事項の程度が改善されていた。また、ヒアリングでも、「始めた当初は坂道や体力的なきつさを感じたが、その後あまり感じなくなった。」との意見が聞かれたことからも、自転車通勤に慣れることで、体力的な部分については懸念事項と感じなくなる、と捉えてもよいと考えられる。

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