通勤における自転車利用促進に関する研究
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1 1.はじめに 1-1.研究の背景 豊田市の交通まちづくり行動計画(2011~2015)では、移動の円滑化を考慮した交通体系の構築として、エコ通勤等の実施が盛り込まれている。エコ通勤手段としては、公共交通の利用、自転車の利用、徒歩や自動車の相乗りなど様々な方法があるが、研究所では自転車通勤の促進に向け様々な活動を行ってきた。 H23年度には、自転車通勤を促進させるための方策として「自転車通勤手当の新設や拡充」「報奨金制度の導入」など事業所側が実施する施策が効果的であることを明らかにした。また、アンケート回答者の約1割が既に自転車通勤を行っており、約1割が自転車通勤の実施を考えていることなどを明らかにした。さらに、自転車通勤を促進する上で「自転車の安全性をどのように確保するか」が重要であることを明らかにした。 これらの結果を受けH24年度には、事業所を対象に通勤制度(手当)の改正等の自転車通勤促進のための具体的な提案を行ってきたが、事業所の通勤制度を改正するには至らず、自転車通勤の促進には繋がらなかった。また、交通安全意識に関する実態調査を行い、自転車通勤者の歩道走行頻度が高く、歩道走行時のスピードが速いなど、自転車通勤者への安全教育等の必要性が高いことを明らかにした。 このように、自転車通勤を促進するには、自転車通勤手当の改正や交通安全への配慮、自転車関連施設の整備など事業所ベースでの取り組みが有効であるが、様々な障壁があり進まない現状がある。一方、個人ベースで自転車通勤を考えている人はいるものの、自転車走行環境の整備遅れや体力負荷などデメリットの部分が障壁となり実際に転換する人はまだまだ少なく、如何に転換させるかが課題となっている。その他にも自転車通勤の促進にむけ、多数の取り組みがされており、エコ通勤の施策など短期的に転換できるものの、継続利用につながっておらず、如何に継続させるかについても課題となっている。 1-2.研究の目的 本研究では、個人に対し自転車通勤をより身近に感じてもらい、楽しく自転車通勤を継続できる仕組みとしてSNSを利用したコミュニティを構築し、その仕組みの有効性や自転車通勤に対するモチベーションなどの変化を明らかにすることを目的とする。あわせて、自転車通勤によるモチベーションや懸念事項を整理し、自転車通勤促進向けた新たな知見を確認するとともに、安全意識の向上方策、自転車走行位置の実態把握や安全対策の有効性などの安全面に関する知見を収集する。
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