生活道路の安全性評価
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2 1-2.防犯と交通安全の関わり 一般社団法人「子ども安全まちづくりパートナーズ」は、防犯まちづくりでは防犯対策(防犯活動)にとどまらず、交通まちづくり(交通安全対策や賑わいのある道路空間づくり等)の問題も一緒に考えていかなければならないことを「防犯まちづくりのヒントとガイド」というホームページで詳しく解説している6)。この同ホームページに掲載されている本編を参考に「防犯の理論」と「交通との関連性」を整理する。 日常活動理論(routine activity theory)によると、犯罪は「犯罪を行おうとする者の存在」「有能な監視者の不在」「適当な犯行対象の存在」の3条件が揃う空間・時間で発生する。「犯行を行おうとする者の存在」とは、地域内に普段は見かけない車両や人がいることや、地域内で犯行を計画している者が存在することである。すなわち、地域の生活道路を抜け道として利用されている地域は外部からの侵入者が多く、地域住民も見知らぬ人に無関心となりやすく、ひったくりや痴漢などを企てる者も近づきやすくなる恐れがある。 「有能な監視者の不在」とは、人通りの少ない道路では犯罪が発生しやすくなり、一日を通じて散歩や買い物の人通りが多い道路では犯罪は発生しにくくなる。したがって、人が歩きやすい道、歩きたくなる道づくりによって人通りも多くなれば、自然監視性も高まり、防犯上も優れた道路となる6)。 防犯まちづくりと交通まちづくりの共通点として「自然監視性の確保」と「領域性の強化」「通過交通の排除」が挙げられる。「防犯まちづくりのヒントとガイド」では、以下のように整理されている。 • 自然監視性の確保と交通安全対策 犯罪に強いまちづくり対策の一つに「自然監視性の確保」があります。これは、人の目の存在によって犯罪企図者に遂行を思い留まらせるというもので、見通しを良くする、十分な夜間照明を確保するなど、交通安全とも共通する対策が講じられます。また、交通まちづくりが目指す「歩きたくなるまちづくり」を通じた地域の活性化は、人の目を増やすという点で防犯まちづくりにおいても大事な目標と言えます。 • 領域性の強化と通過交通の抑制 犯罪に強いまちづくり対策の一つに「領域性の強化」があります。これは、居住者などによる縄張りを犯罪企図者に知覚させて犯罪を抑止しようという考え方ですが、交通まちづくりにおける、住宅街に通過交通を進入させないための装置の設置や、国が推進している「あんしん歩行エリア」などの面的交通対策を行うことなども含まれます。 【参考】国土交通省 効果的・効率的な交通事故対策の推進 また、領域性を確保するためには「地域内を美しく保つ」「幹線道路からの通過交通を防ぐ」「地域内であいさつを習慣に」「物理的に領域づくりには見通しを確保する必要がある」など、交通安全対策に通ずる項目が指摘されている6)。
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