生活道路におけるISAに関する研究
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6 2-2.DSDSの公道での適用に向けての課題 DSDSについて、関係機関へのヒアリングを平成25年5月に実施した。ヒアリングにあたっては、最初に当該システムについての狙い、体制、方法について説明を行い、実施に向けた課題等についてコメントを頂戴した。 結果を表2-1に示す。ここでは、交通管理者および道路管理者を想定し、愛知県警察本部および研究対象地域の管轄署である豊田警察署、生活道路の道路管理者であり、政策実施を担当する豊田市の交通政策課および交通安全防犯課の担当者に話を伺った。まず、交通管理者は実験内容そのものに対しては共通して否定的態度を取らなかったものの、「速度そのものの提示」に対して消極的であった。他方、道路管理者側はどちらかと言えば肯定的態度でDSDSについて関心を寄せており、支援の可能性が窺えた。なお、豊田市社会部交通安全防犯課については、年度の切り替りで担当者が刷新されたため特徴的な意見を徴収することはできなかった。 以上の関係機関の考えは今後のDSDSの豊田市での実現に向けて、慎重に参考にすべきものである。まず、公道実験の実施については、いずれの関係機関からも否定的な態度はなかった。よって調整次第では公道実験の可能性があるといえよう。公道実験の実施に向けては、住民代表らとの調整が必要と考えられる。候補としては、今年度ゾーン30の導入が予定されている井郷地区の井上・天道自治区などが考えられ、調整を図ることもあり得る。次にDSDSで用いる提示内容については速度の直接提示は、今後の社会への適用を想定すると困難である可能性が高いといえる。よって、速度の直接提示以外の表現方法を検討する必要がある。 表 2-1 関係機関へのヒアリング結果 機関 ヒアリング日時 主なヒアリング結果 愛知県警察本部交通部交通規制課 2013/5/27(月) ・公道で実験する場合、速度そのものを提示するのは賛同できないが、それ以外の表現であれば、可能性を否定するものではない。 愛知県警察本部豊田警察署交通課規制係 2013/5/20(月) ・公道で実験する場合、速度そのものを提示するのは賛同できないが、それ以外の表現であれば、可能性を否定するものではない。 豊田市都市整備部交通政策課 2013/5/13(月) ・公道での実験を進めて貰いたい。可能な範囲で協力をする。 豊田市社会部交通安全防犯課 2013/5/20(月) ・特にコメントなし

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