生活道路におけるISAに関する研究
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3 2.生活道路における電光掲示板による速度提示 2-1.研究の背景と目的 面的速度マネジメントを実現する一つのツールであるゾーン30の整備推進が進む中で、その実効性担保策の更なる推進が求められている。一方で、既存の実効性担保策であるハンプや狭さくなどの物理デバイスは住宅地など箇所によっては、設置そのものや、望ましい形状の整備が難しいことがある。 速度提示が運転者の走行速度に与える影響は、豊田都市交通研究所の過去の研究1)でも明らかとなっている一方で、その継続的実施などに課題があった。ここで、海外等に目を向けると、電光掲示板等を用いた速度提示が積極的に実施されている。本研究は当該システムの豊田市での適用を目指す上での課題を整理するとともに、実験室環境でその実施効果を明らかにすることを目的とする。 2-1-1.既往研究の整理 居住地に近く車道幅員の狭い道路である生活道路などでの面的速度マネジメントの実効性担保においては、凸型舗装であるハンプや車道幅員をラバーコーンやボラードなどにより狭くする狭さくなどの物理デバイスと呼ばれるものが用いられる。ただし、このような対策は住宅が密集する地域などでは、車両接触、騒音、振動発生の可能性など形状に対する不安などから地域住民と道路管理者の調整が円滑に進まず、導入が困難となる例が少なくない。海外では、このような通常の物理デバイスの導入が困難な箇所における速度抑制策としてDSDSが導入されている。 DSDSは、速度検知センサーが付帯することで走行車両に対して自車の速度情報を提供できる電光掲示板であり、もともとは道路工事現場の安全確保の目的で使われる例が多かった。近年は海外においてスクールゾーンや生活道路の速度抑制を図る目的での整備が散見される。 提示内容には様々なものがあるが、大きくは図2-1に示すようなイギリスなどで見られる図形や文字を用いた情報提供、アメリカなどで見られる規制速度と自車の速度を提示するものに大別される。いずれのタイプも導入路線における速度抑制効果が確認されている例えば2)3)。 また、近年はDSDSの拡張的研究や取り組みもみられる。例えばドイツで行われた研究4)では、図2-2に示すように速度超過時の警告表示だけでなく、速度を遵守した場合にその御礼メッセージを提示するといった速度遵守に対するインセンティブ効果を狙ったものの検証がなされており、単に速度そのものを提示するより速度遵守効果があったことが示されている。その他にも目を引く取り組みとして、フォルクスワーゲンが2009年に行った人々
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