生活道路におけるISAに関する研究
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1 1.はじめに 1-1.研究の目的 本研究は普及の進む面的速度マネジメントの実効性担保策の一つとしてISA(Intelligent Speed Adaptation)に着眼し、路側提示型のものと、車内助言型のものについて、それぞれこれまでの研究成果をベースに研究を行うものである。 近年、主として地域住民の日常生活に利用される道路で、自動車の通行よりも歩行者・自転車の安全確保が優先されるべき道路である生活道路1)における交通事故対策の重要性が高まっている。その背景には、近年の全体的な交通事故件数が減少している中で、生活道路におけるその発生割合が高まっていることにある。警察庁の報告1)によれば、生活道路として想定される車道幅員5.5m未満の道路における交通事故の発生件数は平成13年から22年にかけて8%の減少と全体(23%の減少)の1/3程度の減少率にとどまり、全体に占める割合は平成22年で25%と高まりつつある。 そのような背景を受けて、平成23年に警察庁から、ゾーン30の整備に関する通達が関係機関に出された。ゾーン30は生活道路に面的な最高速度30km/h規制を整備するものであり、平成28年度末までの整備目標として、全国3,037箇所、愛知県215箇所とされている。このような整備が進むと同時並行的に、その具体的な実効性担保策の普及推進を広く進めていく必要がある。このような背景のもと、本研究では以下の2視点からゾーン30等におけるわが国の速度マネジメントを達成するためのツールの検討を行うものである。 ①路側提示型はゾーン30の導入が想定され、特に速度に課題のある主要生活道路の路線において、速度超過車両の走行速度を路側等に設置した電光掲示板に表示するといった速度抑制策の実施とその評価を行うことで、速度抑制策としての基礎資料を提供する。 ②車内助言型は、生活道路における助言型ISAが、特に今後課題となる高齢運転者に与える長期的影響についてフィールド実験を通じて把握し、対策導入・推進にあたっての基礎的知見を得る。本研究は長期実験であるため、1年目を準備期間、2年目を実験実施期間、3年目を分析期間とする。
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