生活道路におけるISAに関する研究
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22 算出したDSQの主成分平均得点は、既往研究1)により実際の主成分得点との相関が高いことが示されており、平均得点を用いることで、当該主成分の特性を十分表現できる。 以上の目的変数と説明変数の関係性について重回帰分析によるモデルを構築することで明らかにする。 (2)結果 表2-5に全変数による重回帰分析の結果を示す。自由度を補正した修正決定係数が0.0246と、モデル全体の精度がよいとはいえない。よって、F値1.0を閾値とする変数増減法により説明変数を選定した結果、修正決定係数が0.23とある程度の精度向上が見られた。ただし、その精度は決して高いとはいえない。その点を考慮し、以下のように考察を行う。本モデルにおいて有意となったのは「せっかちな運転傾向」のみであり、当該傾向が強い場合、有意に速度を上昇させる可能性が高いことがわかる。構築されたモデルでは、DSDS(文字)による速度変化に影響を及ぼす要因はすべて運転スタイルによるものであり、特定の属性に顕著な影響を与えるという傾向はみられなかった。裏を返せば、性別や年齢、事故、違反経験に依る事なくDSDS(文字)は一定の条件下で走行速度を抑制する可能性がある。今後は、構築したモデルの精度向上を目指した取り組みを行うことが望ましい。 表 2-5 重回帰分析の結果(全変数) 表 2-6 重回帰分析の結果(変数増減法)

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