生活道路におけるISAに関する研究
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13 図 2-10 最高速度(30km/h)以上の車両割合の変化(右:区間A、左:区間B) (4)実験パターン毎の85パーセンタイル速度 図2-11に結果を示す。85パーセンタイル速度は、区間Aでは平均速度同様、DSDS、標識、パトランプ警告などのデバイス間での差がほとんど見られなかった一方で、区間Bでは、DSDS(文字)による提示位置より下流側で他のデバイスと比べて大きく低下していることがわかる。この結果は、DSDS(文字)は、特に大きく速度超過する運転者の速度抑制に効果を発揮する可能性を示唆するとともに、一般的な物理デバイスと異なり、デバイス通過後においても効果を発揮させる可能性があることを期待させるものといえる。 また、区間Aでは85パーセンタイル速度でも差が生じなかった理由について、DSDSの種類が異なる影響も予想できるが、おそらく次のような原因が最も大きいと考えられる。それは、区間Aは区間終了後にカーブがあり、情報提供の有無に関わらず減速が余儀なくされる構造となっていることが影響し、規制速度と実際の走行速度にあまり差が生じなかったことである。この規制速度と実際の走行速度差があまり無い場合の結果は先の既往研究2)などからもDSDSの効果が限定的であることが明らかにされており、DSDSの設置効果が期待できる箇所は、ある程度の区間長があり、速度超過が常態化している箇所であるということが改めて確認できた。 00.20.40.60.81‐60m‐50m‐40m‐30m‐20m‐10m0m10m20m30m40m何も無しDSDSパトランプ警告標識(30km/h)のみ00.20.40.60.81‐60m‐50m‐40m‐30m‐20m‐10m0m10m20m30m40m何も無しDSDSパトランプ警告標識(30km/h)のみDSDSからの距離DSDSからの距離

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