周辺土地利用と生活道路の理想性能を考慮した面的速度抑制対策箇所の選定方法に関する研究
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4 点の中で特徴づけられるものもある。主な共通項としては、地域住民の日常生活で使われる道路であること、自動車より歩行者、自転車の通行が優先される道路であることという点であった。 2-1-2.道路構造・ネットワークの観点からみた整理 わが国において、生活道路が構造的特徴やネットワーク的特徴からどのように位置づけられているかを道路構造令ならびに先程引用した「人と車[おりあい]の道づくり-住区内街路計画考」から整理を試みる。 わが国の道路構造は道路法30条第1項、2項に定められる道路構造令によって技術的規準が用意されている。道路構造令では種級区分という道路の一般的区分がなされており、それは道路の種類、計画交通量、地域や地形の状況から決定される。すなわちこれらの条件によって道路の技術的規準が決定している。生活道路は道路の種類(自動車専用道路以外)、および計画交通量(500台/日未満)から3種5級もしくは4種4級相当と予想される。当該区分に該当するのは、市区町村が管轄する道路である。加えて先の定義の中で生活道路を構造的に規定する一つの要因として幅員が挙げられるが、生活道路は、当該規準に則ると車道幅員は4.0または3.0mである。 次に、「人と車[おりあい]の道づくり-住区内街路計画考」の中で整理される街路の形態から、生活道路のネットワーク的特性についてみる。本書では、街路の形態は自動車とのおりあいの方向性と街路の幾何形状によって分類できるとし、全13のパターンが紹介されている(人と車[おりあい]の道づくり, p53)。この中で、街路形態を規定するキーワードとして挙げられているのが、グリッド型、ツリー型などの「街路パターンの幾何形状」とともに「外周道路と住区内街路の接続方法」、「街路幅員の段階構成の有無」、「歩行者道路の有無」である。これらのキーワードがネットワーク的観点から生活道路と幹線道路を分類する一つの判断基準として考慮できるものと考える。 2-2.本研究における生活道路と幹線道路の分類 以上のような整理を踏まえ、本研究における生活道路と幹線道路の分類を次のように整理した。まず生活道路の定義などでも整理した最も明瞭な判断基準である幅員によって、生活道路、幹線道路を分類する。次に道路構造令などによって生活道路として位置づけがなされる市道、県道などの管理区分を判断基準とする。次に、「人と車[おりあい]の道づくり-住区内街路計画考」で明示された「歩行者道路の有無」を代表するものとして歩道の有無を判断基準とする。なお、外周道路との接続については、外周道路の定義がそもそも幹線道路の定義と重複し、幹線道路が明示されない限り考慮できないためここでは扱わない。

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