周辺土地利用と生活道路の理想性能を考慮した面的速度抑制対策箇所の選定方法に関する研究
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31 6.まとめ 本研究は周辺土地利用状況と生活道路として必要とされる理想的性能からの乖離程度という視点から対策箇所を選定する方法論を提案するとともに、面的な速度抑制対策の導入すべき箇所の選定について豊田市をケーススタディとして実施した。 周辺土地利用状況については、安全、安心な土地利用という観点から、既往研究の整理とデータ検証を通じて適切な評価指標を選定するとともに、生活道路の理想性能としては走行速度抑制性能、交通事故抑制性能という観点から、周辺土地利用同様の方法で評価指標を選定した。また選定された評価指標について主成分分析による総合得点化を試み、一定の成果を得ることができた。 当該手法の意義としては、近年我が国において急速に広がりつつあるゾーン30などの整備推進において寄与率の低さなどから精度的課題はやや残るものの、一定の論理的バックグラウンドを与えることができ、様々な調整の場で有効に活用されることが期待できるものといえる。さらに当該方法で用いたデータはすべて我が国において整備される一般的データであることから、どのような地域に対しても応用が可能である。ただし、当該モデルはあくまで豊田市を事例に作成されたものであるので、現時点では豊田市と類似する都市構造を有する地域に限定的に適用するべきである。 今後は、当該手法の一般化、精度向上に向けた様々な地域でのモデルの適用と調整を考慮していくとともに、道路幅員データなどデータ整備上の制約で分析から除外した指標の代替指標の検討などが必要である。
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