周辺土地利用と生活道路の理想性能を考慮した面的速度抑制対策箇所の選定方法に関する研究
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14 図 3-4 用途地域と事故件数の関係 3-2.安心な土地利用の観点からみた重要度の算定指標の選定 3-2-1.既往研究の整理と本研究での対応 安心は安全性の担保によってもたらされる。一方で、安全性の担保はそれを享受する主体によって考え方が異なることが予想される。よって、主体別に考え方を整理し、重要度の算定指標を選定する。本研究で着眼した主体は、道路整備等において重要な役割を担うことが予想される生活道路を利用する道路利用者、生活道路が整備される地域住民、生活道路を管理する道路・交通管理者の3主体である。 まず、道路利用者が望む安全性の担保されるべき土地利用について、(公財)豊田都市交通研究所が道路利用者に対して実施した意識調査7)から考察する。当該調査は、平成21年から警察庁、国土交通省が推進するあんしん歩行エリアにも指定される愛知県豊田市元城小学校区の全世帯の運転者(世帯の中で最も自動車を利用する方)を対象に実施されている。当該調査の中で、走行速度を多少落としてでも安全性を担保すべき生活道路の周辺土地利用特性について伺っている。図3-5に結果を示しているが、道路利用者は通学児童の多い学校周辺や、歩行者・自転車の多い商業店舗の近く、高齢者の多いデイケアセンターや医療機関周辺、公園周辺、住宅の密集する地域の生活道路においては速度が抑制されるべきと考えていることがわかる。 同様に、地域が望む安全性の担保されるべき土地利用について、(公財)豊田都市交通研究所が地域に対して実施した意識調査8)から考察する。当該調査は、地域の実状をよく把握していると考えられる愛知県豊田市の全302の町内会組織の長を対象に実施されている。当該調査の中で、ゾーン30を優先的に実施すべき周辺土地利用特性について伺っている。図3-6に結果を示しているが、道路利用者同様、通学児童の多い学校周辺や、歩行者・自転

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