周辺土地利用と生活道路の理想性能を考慮した面的速度抑制対策箇所の選定方法に関する研究
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12 標として選定することとした。交通事故のデータは2007年~2011年の5年間に愛知県豊田市で発生した地点のポイントデータである。これをGIS上で各メッシュや用途地域別で集計し土地利用との関係性を整理する。 3-1-2.結果 図3-1、2は4次メッシュ別の昼間人口密度および夜間人口密度と当該メッシュにおける交通事故件数の関係性を示したものである。昼間人口密度、夜間人口密度ともに正の相関関係が読み取れるが、昼間人口密度においてはいくつかのメッシュにおいて人口密度に対して交通事故件数がかなり少ないといった特異な値を示している。このメッシュが該当する地域を確認すると、自動車関係の工場が分布している地区であった。自動車産業が中心である愛知県豊田市の特徴であるといえよう。夜間人口密度との関係性では昼間人口密度のような特異なメッシュはみられなかった。 図3-3は4次メッシュ別の2次・3次産業従業者数と当該メッシュにおける交通事故件数の関係性を示したものである。当該結果は昼間人口密度との関係性同様、正の相関関係が読み取れる一方でいくつかのメッシュにおいて2次・3次産業従業者数に対して交通事故件数がかなり少ないといった特異な値が観察された。 図3-4は用途地域と事故件数の関係を示している。Srinivas S. Pulugurtha, Venkata Ramana Duddu, Yashaswi Kotagiri4)の研究で交通事故との関連性が明示されていた住居が中心となる複合土地利用と同様の地域と考えられる準住居地域、第2種住居地域や、商業、業務地域と同様の地域と考えられる商業地域、近隣商業地域で交通事故が多い。 以上を踏まえ、安全な土地利用の観点から選定する指標は人口密度、2次・3次従業者数、用途地域とする。人口密度は愛知県豊田市の特殊性を回避するため夜間人口密度を採用する。用途地域は当該生活道路の位置する場所が準住居地域、第2種住居地域、商業地域、近隣商業地域か否かによって、ダミー変数を与えるという対応を行う。

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