平成25年度 中山間地域における高齢者モビリティ調査
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3 1-2. 既往研究・事例の整理 中山間地域における既往研究は、地域の維持方策・高齢者の生活実態・支援策の評価など数多く散見される。その中でも森尾1)は、本研究で対象としている中山間地域における交通実態に関する特性や課題を包含的にとりまとめている。そこで当該研究を引用して、中山間地域の交通特性と既往研究事例を以下に整理する。 ● 全国都市交通特性調査を基にした中山間地域の交通特性 ・中山間地域の免許非保有の高齢者は1日あたり0.88トリップ ・自動車運転免許を保有していると移動のほとんどを自動車に依存 ・平野農業地域と比較して二輪車の分担率が低い ・自動車免許非保有では平野農業地域と比較して公共交通の分担率が高い ・バスを中心とした公共交通が中山間地域の高齢者の重要な交通機関であること、 運転免許非保有の高齢者は徒歩に依存しており行動範囲がかなり狭い可能性がある ことが伺える。 ・買物目的の行動範囲は休日に町村外に出かける傾向が高く、15歳~64歳の自動車 運転免許保有者層でその傾向が強い ・PT調査型の調査手法においても、中山間地域の交通実態の特徴を免許保有状況別、年齢別にある程度把握できる。しかし、中山間地域では生活関連機能の享受状況を把握することが重要 ● 中山間地域のモビリティに関する既存研究事例 (1)調査手法の事例 ・生活行動に関わる調査項目はAD調査を活用、活動内容あるいは移動目的、出発地、目的地、移動手段、時刻はPT調査を活用。 ・その他の調査では対象期間を限るのではく、普段の移動状況として目的地別に目的地、外出頻度、移動手段などを質問。 ・起床就寝時間や可処分時間、平均的な1日の時間構成を質問。 ・目的に応じて診療所やバスの利用状況、生活の満足度や困っている事などを質問。 (2)中山間地域のモビリティに関する主な知見 ①高齢者・免許非保有者の移動の制約者の外出率が低く、地区内での移動が多い。 ②活動目的に合わせて目的地を選択。 ③中心都市から遠い町村でも中心都市に出かけるためトリップ長が長い。中心都市の訪問時は複数の用事を済ませる。 ④経年的にみると目的地が広域化しており、これはモータリゼーションの進展によるもので地方部ほどその傾向が強い。 ⑤中山間地域において確保すべき機能は、医療、買物の基礎的な生活関連サービス。

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