交通事故の予防対策地点を効率的に抽出する手法に関する研究
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53-2.リスクの見積もり リスクの見積もり方にはいくつかの手法があるものの、マトリックス法が広く用いられていること [11]から、本研究においてもマトリックス法を用いる。マトリックス法では、(1)災害(事故)発生の可能性と、(2)災害の重篤度を用いて、表 3-1に示すようなリスク見積表を作成し、予防対策実施の優先度を明らかにする。 (1)発生の可能性 当該地点の交通量や事故発生件数、ヒヤリハット指摘件数あるいはその比などを用いることで、当該地点における事故への遭いやすさを指標とすることが考えられる。しかしながら、既往研究の結果を踏まえると、事故発生地点とヒヤリハットの指摘地点は合致するとは限らない [2] [5]。また、生活道路を含めたすべての道路において交通量を把握することも困難である。このため本研究においては、発生の可能性としてヒヤリハットの指摘数が多いところほど高いとする。 (2)重篤度 事故に遭った際にどの程度の身体的・経済的損害を被るかを基に算出できると考えられる。本研究では、身体的損害である死亡率を事故類型別に算出することで重篤度を表現する。 3-3.重篤度の算出 重篤度の算出にあたっては、公益財団法人交通事故総合分析センター(ITARDA)の交通統計 [12]から、事故類型別・道路形状別交通事故件数と事故類型別・道路形状別死亡事故件数を用いて死亡事故になる確率(致死率)を算出する。なお、事故件数および死亡事故件数は、平成19年から23年の5カ年の全国の値を用いた。ただし、このデータにおいては事故類型が44に区分されており、道路形状との関係において見ると、発生件数が非常に少ない類型も存在する。このため、中村ら [13]と同様に、類似の事故類型はまとめることとして、11類型に集約・区分した。また、列車事故は対象から外した(表 3-2)。なお、この区分を表 3-1 リスク見積表の例 重篤度 重大 中程度 軽度 可能性 高い III III II 可能性ある III II I ほとんどない II I I III:重大なリスク II:速やかにリスク低減必要 I:必要に応じてリスク低減

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