交通事故の予防対策地点を効率的に抽出する手法に関する研究
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37これらの地点は、常に重大事故の可能性があると考えられることから、道路改良等を行う優先度が高いと考えられるが、その中でも指摘の集中している地点の改良を行うことがリスクアセスメントの見地から有効である。 そこで、これらの指摘の集中している箇所を把握するため、5次メッシュ(概ね250m四方)単位で件数を集計し、2つ以上の指摘のあった地点を地図上にプロットしたものを図 4-26に示す。25メッシュ存在するが、いずれも豊田市中心部およびみよし市であり、山間部においては該当するメッシュは存在しなかった。 もっとも多くの指摘が集中していたメッシュは、愛知県みよし市三好丘緑4丁目の愛知中部水道企業団高嶺配水場付近(みよし市と豊田市の境界)で、14件の指摘があった。以下、豊田市金谷町2丁目の名鉄上挙母駅付近の道路で7件、6件の指摘があったのが、豊田市司町5丁目の小島プレス本社付近、およびそれに隣接する豊田市司町4丁目などとなっている(表 4-9~表 4-13)。 これはメッシュ単位で集計しているため、必ずしも同一の地点や同一の道路での指摘を表現しているとは言えない。このためメッシュを個別に見ることで、ヒヤリハット指摘の多い交差点や単路部を特定し、さらに指摘された状況から想定される対策案を表 4-14~表 4-16に示す。全部で19箇所の対策候補地点が抽出できた。なお、対策内容の検討には中村ら [13]の研究も参考にした。 これらのうち2箇所は事故多発交差点(土橋1丁目交差点、トヨタ町南交差点)であった。また、下林町1丁目交差点においても過去5年間に死亡・重傷事故が発生している。その他の地点においては過去5年間を見ると死亡・重傷事故は発生していないが、発生の危険性は高いと考えられるため、事故を未然に予防するという観点から、これらの地点についても道路改良等の対策を行うことが必要と考えられる。

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