交通事故の予防対策地点を効率的に抽出する手法に関する研究
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11.はじめに 従来、交通事故対策箇所の選定においては、過去の事故危険箇所が重視されており、事故発生率が高い地点に対して道路改良が行われてきている。 しかしながら近年では、過去の事故要因を分析することで事故危険箇所を選定し、事故の発生を未然に防ぐという予防対策の観点での交通安全対策の実施が求められるようになってきている [1]。 予防対策を行うための一つの方法として、「事故は至っていないが、事故につながるような危険な事象」、すなわち「ヒヤリハット事象」の発生している地点を把握する「ヒヤリハット調査」を行い、危険が生じた原因を突き止め、取り除くことが考えられる。 当研究所においては、以前より交通安全ヒヤリハット調査を過去数回、実施している。昨年度は「交通事故の予防対策地点を効率的に抽出する手法に関する基礎的検討」として、Webアンケートを用いて市民が危険と感じているヒヤリハット地点と状況を収集し、予防対策の観点から対策を優先的に行うべき地点を効率的に抽出するための基礎的な検討を行い、事故多発地点において特徴的な指摘が多くなされていることを明らかにした。この調査の実施においては、一般市民の調査協力者の確保には課題を残したが、小島プレス工業(株)高岡工場のご協力によって、調査協力者を多く確保できたとともに、ヒヤリハット調査を企業の交通安全教育に活用できる可能性が示唆された。 このことを踏まえ本研究では、企業を対象としたヒヤリハット調査を大規模に実施することでサンプル数を確保するとともに、ヒヤリハット調査による予防対策地点選定をより効率的に実施できるようにするために、リスクアセスメントの考え方を用いて事故危険地点を把握する手法について検討する。

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