面的速度マネジメントの実現に関する総合研究
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90(5) 実験手順 被験者はまず始めに、DSに慣れるために5分程度試走行したのちに、表2-4-5に示すように、最初のシナリオで最高速度規制標識が設置されない空間を走行し,次のシナリオで最高速度規制が標識と路面標示で設置された空間を走行する。続いて,標識があり強制型ISAの介入がある空間を走行し,最後のシナリオで標識があり情報提供型ISAの介入がある空間を走行する。いずれのシナリオも幹線①→幹線②、生活①→生活②の順で走行する。実験の際,被験者にはいずれかの段階でISAの介入があることのみ伝え,どのタイミングでISAが介入するかに関する情報は与えなかった。走行経路の案内は拡声器を用い調査員が口頭で行った。経路案内を行うタイミングは発進時と停止時の2回である。 表2-4-5 実験シナリオ 走行 パターン 走行空間 標識無 標識有 強制型介入情報提供 型介入 幹線①(4車道路) 幹線Ⅰ 幹線Ⅱ 幹線Ⅲ 幹線Ⅳ 幹線②(2車道路) 生活①(車線広い) 生活Ⅰ 生活Ⅱ 生活Ⅲ 生活Ⅳ 生活②(車線狭い) 幹線道路,生活道路別に各ISAが介入するシナリオの最後に,既往研究12)で整理されている事故・違反の背景にある走行時の心的負荷(ストレス)を参考に6種類を設定し,7件法でその程度を伺った。 DS実験終了後には,個人属性や,性別,年齢,運転経験等の個人属性,それぞれのISA介入による速度調整に対する意識,走行コースの認知程度などを伺う簡単なアンケート調査を実施した。 実験ではDS酔いと呼ばれる車酔いに近い症状がでる被験者が複数名いた。そのため,実験のそれぞれの段階で休憩を交えながら実施することとなった。またDS酔いが酷い被験者については,途中であっても実験を中止した。その結果,60名の被験者のうち、高齢者19名,一般14名、若者19名の合計52名が全ての実験を完全に実施することができた。以下ではこの52名の被験者について分析を行う。

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