面的速度マネジメントの実現に関する総合研究
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384)ハンプ設置による注意喚起の課題 生活道路A・生活道路Bでは、ハンプ設置箇所周辺において速度低減効果がみられない。生活道路Cではハンプ通過後の速度低下がみられるものの、区間全体での最高速度は30km/h程度まで上昇している。また、注意意識調査においてハンプの認識状況を調査したところ、特に高齢者は全くと言っていいほどハンプに気づいていない。 ハンプ通過後の速度上昇に関しては設置場所の課題もあるが、速度低減策(ハンプ設置)による注意喚起の課題としては、今回設置されたハンプの高さが50mm以下であるという『高さの課題』と、ドライバーへの『周知の課題』があげられる。 図1-2-24 ハンプの認識状況 (4)エリア全体としての注意喚起(仮説Cの検証) 運転注意意識調査から明らかになった個別対策の認識状況などを整理する。 • 規制速度の標識やゾーン30案内板は、先述したハンプ同様、高齢者の認識状況が極めて低い。認識できない理由としては、右左折時において標識(水平方向より上方)を認識することが難しいとの意見である。 • しかし、カラー舗装は全てのドライバーが認識していたことから、路面標示・色彩による注意喚起の効果が見受けられる。 • ゾーン30の認知状況を調査したところ、全被験者の半数以下がゾーン30を知らないと回答し、特に高齢者の認知状況が極めて低い。また、生活道路における規制速度の認識状況を調査したところ、ゾーン30を認知しているにも関わらず「わからない」と回答した被験者も存在している。 以上のことを踏まえると、ゾーン30の目的や意図が認識されていない状況であるため、ゾーン30エリア全体としての注意喚起が成立しておらず、仮説C(エリア内では、沿道環境に注意して走行)を検証できるまでには至っていない。 09191413514514112110%20%40%60%80%100%ハンプA高齢者ハンプA成人ハンプB 高齢者ハンプB 成人ハンプC 高齢者ハンプC 成人運転中気づいた運転中に気づかなかったその他

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