面的速度マネジメントの実現に関する総合研究
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98(2)平均速度 被験者の属性・空間の違い・ISA介入方法毎に平均速度を整理した結果を表2-5-5から表2-5-7に示す。まず、高齢層の結果をみると、標識なしの生活①②以外の全てのシナリオにおいて、平均速度が規制速度を下回っている。標識ありと他のシナリオを比べた場合に、平均速度の差に統計的な意味があるかを確認するためにt検定(対応あり)を実施した結果、生活①②の標識ありで、標識なしに比べ有意に速度が低下している。また、幹線②の強制介入・情報介入、生活②の情報介入において、標識ありに比べ有意に速度が低下している。 次に、一般層の結果をみると、幹線①標識なし、生活①②の標識なし、あり以外のシナリオにおいて、平均速度が規制速度を下回っている。標識ありと他のシナリオを比べた場合に、平均速度の差に統計的な意味があるかを確認するためにt検定(対応あり)を実施した結果、生活①②の標識ありで、標識なしに比べ有意に速度が低下している。また、生活②の強制介入と生活①②の情報介入で、標識ありに比べ有意に速度が低下している。 次に、若年層の結果をみると、一般層と同様に幹線①標識なし、生活①②の標識なし、あり以外のシナリオにおいて、平均速度が規制速度を下回っている。標識ありと他のシナリオを比べた場合に、平均速度の差に統計的な意味があるかを確認するためにt検定(対応あり)を実施した結果、生活①②の標識ありで、標識なしに比べ有意に速度が低下している。また、生活②の強制介入と生活①②の情報介入で、標識ありに比べ有意に速度が低下している。 以上の結果から、以下に示すことが分かった。 ・ 標識の有無においては、いずれの年齢群においても幹線道路では有意差がみられず、生活道路においてのみ1%水準での有意に速度が低下する傾向がわかる。 ・ ISAの介入において、高齢群の場合、幹線、生活道路いずれにおいても車道数や車線幅員が減少する空間において有意に速度が低下する傾向がわかる。他方、一般、若年群においては映像・音声介入時に有意に速度が低下する傾向が確認できる。 表2-5-5 高齢群の区間平均速度(単位:km/h) 被験者 区間 規制速度 項目 標識なし標識あり強制介入 情報介入 幹線① 50km/h 平均速度 43.2244.1142.52 42.43 4車道路 T値 0.381.4 1.2 幹線② 50km/h 平均速度 46.2445.0442.28 41.89 高齢層 2車道路 T値 0.372.13* 2.17* 生活① 30km/h 平均速度 37.2829.0727.11 26.67 車道広い T値 4.05**1.5 1.46 生活② 30km/h 平均速度 40.4528.2327.45 25.72 n=19 車道狭い T値 3.78**0.69 2.02* T値は標識ありの平均値の差の検定(t検定)により算出、 **:1%有意、*:5%有意

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