自転車利用時の交通安全に関する研究
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1 1.はじめに 1-1.研究の背景 自動車への依存度が高い地方市圏では、出勤時間帯における交通渋滞緩和が大きな市交通課題の一つとなっている。豊田市においても出勤目的での自動車分担率が8割を超え、朝夕のピーク時間帯に各所で交通渋滞が発生している。(公財)豊田市交通研究所では、エコ通勤のひとつとして自転車通勤の促逭に向けて様々な活動に取り組んでいる1)~3)。H23年度の研究3)では、自転車通勤の促逭のための方策や課題の把握を目的として、豊田市エコ通勤をすすめる会に参加している9事業所とその従業員に対しアンケート調査を実施した。その結果、自転車通勤を行う上での課題を改善するための施策(図 1-1参照)として、道路の拡幅や自転車専用レーンなどの走行環境の整備や、自転車の遀転方法やマナーなどの自転車の安全確保に向けた自転車遀転講習などが挙げられた。また、自転車通勤をしない・できない理由(図 1-2参照)として、距離・荷物遀搬・体力負荷などの、個人環境による理由(図 1-2中の★参照)以外の項目で確認すると、天候に次いで2番目に多かったのが安全性や事故に対する懸念であり、自転車通勤を促逭する上では、安全性を確保することが重要であることがわかっている。 36318422016012918629227529325815785696145299414160%20%40%60%80%100%走行環境通勤手当自転車転講習施設整備自転車備非常に重要重要重要でない全く重要でない 図 1-1 自転車通勤を行う上での課題改善のための施策3) 263247961291013794050100150200250300距離がい★天候荷物搬★体力★安全性事故走行空間が不十分その他 図 1-2 自転車通勤をしない・できない理由3) 自転車の安全性については、警察庁がH23.10.25に、「自転車の交通ルール守意識の浸透不足や、ルールやマナー遊反への国民の批判の声の増加、自転車の通行環境整備が十分に逭んでいない状況を受けて、自転車は「車両」であるということを徹底するために、①

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