交通事故の予防対策地点を効率的に抽出する手法に関する基礎的検討
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13に乗っているときに危険と感じる場所のみを想定して尋ねているのに対して、保護者には、子供が通ると危険と感じる場所と自身が自動車を運転しているときに危険と感じる場所の2つの状況について尋ねている。 ・小学4年生:徒歩または自転車に乗っているとき(4,414件) ・その保護者:子供にとって危険と感じるとき(6,464件) ・その保護者:自身が自動車を運転しているとき(4,893件) ・同居する高齢者(65歳以上):徒歩または自転車に乗っているとき(1,239件) 自由記述のコメント欄を4つの回答者属性別に、それぞれ、無作為に100件ずつ抽出し、同じ内容のキーワードを集計し、回答の多いキーワードをアンケートの選択肢とすることとした。 また、あわせて、キーワードの回答数と標本誤差について検討を行った。標本数n、抽出率f、標本比率pのとき、95%信頼区間の比率の標本誤差は、次式で表すことができる。 回答者属性別のコメント件数は異なっているものの、いずれの回答者属性においても、5件以上の回答のあるキーワードは、約1%以上の割合で母集団に存在するキーワードであることから、選択肢を決定する際の1つの基準とした。 (2)自由記述欄の集計結果 表3-1に、自由記述欄から抽出されたキーワードと、回答属性別の集計結果を示す。キーワードとしては、全部で74のキーワードが抽出された。回答属性別に指摘の多いキーワードをみると、小学4年生が徒歩または自転車に乗っているときでは、「自動車の交通量が多い」、「道路・歩道が狭い」というキーワードが、それぞれ、20件、23件と多いのに対して、保護者自身が自動車を運転するときでは、「見通しが悪い」、「カーブ・曲がり角」というキーワードが、それぞれ、30件、28件と多くなった。これは、歩行者(自転車)の視点と自動車運転者の視点の違いを反映しているものと考えられる。ただし、高齢者が徒歩または自転車に乗っているときでは、保護者自身が自動車を運転するときと同様に、「見通しが悪い」、「カーブ・曲がり角」というキーワードが、それぞれ、24件、25件と多くなった。これは、高齢者も自動車を運転する機会が多く、アンケートの徒歩または自転車に乗っているという設定とは異なり、自動車運転者の視点から回答している可能性があると考えられた。また、保護者自身が子供にとって危険と感じるときでは、「見通しが悪い」、「自動車の交通量が多い」というキーワードが、それぞれ、27件、25件と多く、歩行者(自転車)の視点と自動車運転者の視点を合わせたような傾向が見られた。 いずれかの回答属性で5件以上の指摘があるキーワードを、アンケートの選択肢候補とし

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