面的速度マネジメントの導入効果に関する研究
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86 表3-3-4 区間別シナリオ別平均速度(若者n=15) 通常時 (1回目) 音声介入 映像介入 通常時 (2回目) 40km/h区間 平均速度(km/h) 44.68 38.27 38.05 39.47 T値 3.91** 4.18** 4.67** 30km/h区間 (沿道狭い) 平均速度(km/h) 33.91 30.46 30.37 31.88 T値 1.80* 1.75 1.60 30km/h区間 (沿道広い) 平均速度(km/h) 36.03 31.48 30.12 33.05 T値 2.50* 2.77** 2.40* ※t値は介入なし(1回目)との平均値の差の検定(t検定)により算出 ※**:1%有意、*::5%有意 以上のように区間の平均速度がISAの介入によって有意に低下することがわかったが、ISAの意図とすれば、速度低下を促すというより、むしろ指定する速度に近づけることに役割があるため、ここでは、その低下した速度が規制速度にどれほど近づいたのかを規制速度と平均速度の差の絶対値を算出しその区間別の平均値から整理する。結果を表3-3-5~6に示す。 まず高齢者(表3-3-5)の結果をみる。通常時1回目をみると、最も差が大きいのは30㎞/h規制区間(沿道広い)で、次いで30㎞/h規制区間(沿道狭い)、40㎞/h規制区間の順で差が小さくなっている。通常時1回目のシナリオと他のシナリオを比べた場合のt検定(対応あり)を実施した結果、30㎞/h規制区間(沿道広い)の音声介入と映像介入で有意な差がみられた。30km/h規制で沿道が広い区間では、ISAの介入によって、特に有意に走行速度が規制速度に近づくことがわかる。 次に若者の結果(表3-3-6)をみる。通常時1回目をみると、最も差が大きいのは高齢者同様、30㎞/h規制区間(沿道広い)で、次いで40㎞/h規制区間、30㎞/h規制区間(沿道狭い)の順で差が小さくなっている。通常時1回目のシナリオと他のシナリオを比べた場合のt検定(対応あり)を実施した結果、40㎞/h規制区間の音声介入と通常時2回目、30㎞/h規制区間(沿道広い)のすべてのシナリオで有意な差がみられた。30km/h規制で沿道が広い区間では、高齢者の結果でも同様の傾向がみられており、ISAの介入によって、特に有意に走行速度が規制速度に近づくことがわかる。 以上の結果から、ISAの介入、特に音声介入は高齢者、若者に関わらず30km/h規制で沿道が広い区間において平均速度を低下させるとともに、規制速度にも近づけることがわかった。
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