面的速度マネジメントの導入効果に関する研究
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85 (2)ISA介入による区間別の平均速度 ISA介入による区間別の平均速度を整理するにあたって、選定する区間を以下のように考える。50km/hの区間は実験開始直後であるため、停止からの解析になること、他の規制速度が入る区間と異なり、複数の交差点を通過するなど単純に比較をすることができないなどの課題がある。よってここでは右左折直後で速度制限の介入があり、比較的条件が似ている40km/hの規制区間とその直後の沿道に住居が密集する30km/hの規制区間(以下、30km/h規制区間(沿道狭い)、および停止線を越えた沿道が比較的開けた30km/hの規制区間(以下、30km/h規制区間(沿道広い)を解析対象とすることにした。ここで扱う速度は、交差点内での右左折挙動を省いたものである。 平均速度の結果を表3-3-3~4に示す。まず高齢者の結果(表3-3-3)をみると、40km/h規制区間以外の区間では、平均速度が規制速度を超えている。通常時1回目のシナリオと他のシナリオを比べた場合、の速度の差に統計的な意味があるかを確認するためt検定(対応あり)を実施した結果、30㎞/h規制区間(沿道広い)の音声介入で有意な差がみられた。30km/h規制区間で沿道が広い区間では、ISAの音声介入によって、有意に速度が低下していることがわかる。特に音声介入による低下量が大きく、その影響の大きさが窺える。 次に若者の結果(表3-3-4)をみると、いずれの区間も通常時(1回目)は速度が最も速く、規制速度を超えていることがわかる。通常時1回目のシナリオと他のシナリオを比べた場合の速度の差に統計的な意味があるかを確認するためt検定(対応あり)を実施した結果、40㎞/h規制区間、30km/h規制区間(沿道広い)のすべてのシナリオ、30km/h規制区間(沿道狭い)の音声介入で有意な差がみられた。特に音声介入はすべての区間で有意に速度が低下しており、その影響の大きさが窺える。また、若者では通常時(2回目)のISAの介入が無いシナリオにも関わらず、40㎞/h規制区間、30km/h規制区間(沿道広い)において有意に速度が低下しており、ISA介入によって当該区間の規制速度が記憶され、それに併せて走行しようとするといった教育効果が顕著にみられたといえよう。 表3-3-3 区間別シナリオ別平均速度(高齢者 n=16) 通常時 (1回目) 音声介入 映像介入 通常時 (2回目) 40km/h区間 平均速度(km/h) 38.48 38.72 39.07 37.65 T値 0.12 0.22 0.45 30km/h区間 (沿道狭い) 平均速度(km/h) 32.00 32.07 31.12 31.92 T値 0.04 0.40 0.05 30km/h区間 (沿道広い) 平均速度(km/h) 34.71 31.12 32.69 32.41 T値 3.08** 1.35 1.25 ※t値は介入なし(1回目)との平均値の差の検定(t検定)により算出 ※**:1%有意、*::5%有意

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