面的速度マネジメントの導入効果に関する研究
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24 2)持続効果 ①速度低下の持続 実験は平成23年12月6日(火)の1日のみ実施した。上述のように実験日当日は効果があったといえる。しかし、このような実験を毎日実施するのは負担が大きく、将来的にこのような活動が定着させていくことを想定するならば、このような効果はある程度持続することが望ましい。そこで、どの程度これらの効果が持続するかを検証するために、実施1週間後の平成23年12月13日(火)10:00~11:00に実験区間の走行速度を調査した。図2-1-5に結果を示す。ここでは、図2-1-3同様に実験中に速度を提示したところから10m区間ずつの車両の平均速度がどのように変化したかを示している。なお、比較対象間の条件の違いを整えるため、事前、事後ともスピードガンで当該区間の速度がすべて観測され、かつ当該区間を直進した車両のみで平均値をとっている。 これをみると、すべての区間で事後の速度は事前の速度より低下しているものの、その差はわずかであることがわかる。この差に科学的に意味があるか否かを確認するため、統計的な検定(t検定)をおこなったところ、いずれの区間においても有意な差があるとはいえなかった。すなわち、規制速度を越えた車両に車両の速度を示すことで、速度を落とす効果があったが、1週間後にはその効果は失われていることがわかる。 0.05.010.015.020.025.030.035.040.09-0m19-10m29-20m39-30m49-40m59-50m車両の速度(㎞/h)実験中に速度提示した位置からの距離事前(n=21)事後(n=32) 図2-1-5 車両速度の変化

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