面的速度マネジメントの導入効果に関する研究
23/99

19 2.ISAを中心とする面的速度マネジメントの実現に向けた速度制御アプローチ 2-1.運転者に対する速度提示活動の効果およびその推進にあたっての課題 ここでは、人側からのアプローチである立哨活動に併せて実施した速度提示活動の効果およびその推進にあたっての課題について報告する。対象としたのは愛知県豊田市井郷地域の井上自治区と天道自治区である。当該地区を選定した理由は、当該地区の交通安全対策立案等に昨年度より積極的に当研究所が関わっていたこと、地域の中での課題となっている場所がある程度、共通認識の下で把握されていることなどが挙げられる。 当該活動のようなものを実施していくにあたっては、地域住民の協力が不可欠であると考えられることなどを踏まえ、計画段階から住民代表者の協力を得る形で進めた。方法としては、地区を管轄する支所の担当者に依頼し、地区の代表者が一同に会して地域の議案について確認する区長会と呼ばれる会合に出席し、その場で当該実験の概要を説明し、協力いただける自治区を募った。その後上記2つの自治区の区長から反応があり、実験実施に進んだ。 2-1-1.井上自治区 (1)方法 調査は平成23年12月6日(火)10:00~11:00に実施した。実施場所は平成22年度に自治区の協力を得て作成したヒヤリハットマップ、自治区長や自治区の安全委員との協議、最高速度規制の指定状況を踏まえて、井上町5丁目(図2-1-1参照)とした。 調査の主な内容はスピードガンを用いて、速度提示位置の約60m手前からの車の速度を測定し、その速度が規制速度を越えていた場合に、走行する車に対して速度超過をお知らせした。その後、信号等で車が停車した際に速度低下に関するお願い文と実験に関するアンケート調査票、粗品を手渡した。なお、事前に当該路線に実験実施をお知らせする看板を地元住民の協力を得て設置した。また調査にあたっては、道路を一部使用するため、警察署に道路使用許可を申請した。また、不測の事態などが発生した場合の対応がすみやかにできるよう、警察署に事前に調査日等を連絡した。 天道自治区井上自治区図2-1-1 対象自治区位置図(豊田市地図)

元のページ  ../index.html#23

このブックを見る