鉄道(レールバス)廃線前後の行動・意識の変化
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6 (3)対象地区の概要 ①猿投地区 地域概況 現在、豊田市内の中で鉄道が残る最北端の地区となった。市の中心部(豊田市駅)には直通の鉄道があり、同じホームで1度乗り換えるだけで名古屋市の中心部へも行くことができる。地域内に大型ショッピングセンターがあるが、周辺地区のショッピングセンターへも自動車で容易に行ける立地である。 人口は、鉄道(レールバス)廃止直後(廃止した年の平成16年10月時点)は60,928人であったが、最近(平成22年10月時点)では68,958人と約13%増加(豊田市全体の増加率約4%を大きく上回る増加)となっている。これは、終着駅ながら鉄道駅が残っており、豊田市内を中心とした勤務者などのベッドタウンとして移住者が増加したと考えられる。 *住民の意識 (仮説) 猿投地区の住民は自らが鉄道の利用者としてのデメリットは感じていないが、鉄道(レールバス)が廃線となったことにより、学生などが運動公園方面へ移動することへの心配や、山間部からの鉄道利用者が車へと変わることで地域内の車の通行量の増加を懸念している。 ②石野地区 地域概況 豊かな自然に恵まれ、谷あいに集落や農地が点在するのどかな中山間地域である。地域活動では、三河線(レールバス)廃線跡の駅の活用や、豊富な地域資源を生かした地域のふれあい活動が活発で、ぬくもり豊かな地区となっている。地区内には東海環状自動車道豊田勘八IC、猿投グリーンロード力石ICがあり、地区中央を国道153号線が横断し市中心部や足助地区と結ばれている。また、地区内には大型店舗はなく、日常生活に関する物資の調達は隣接した地区の大型店舗を利用している住民が多い。 人口は、鉄道(レールバス)廃止直後(廃止した年の平成16年10月時点)は4,978人であったが、最近(平成22年10月時点)では4,598人と約8%減少しており、鉄道廃線の影響が考えられる。 *住民の意識 (仮説) 石野地区は、鉄道(レールバス)の廃線を不便と感じる(残念と感じる)住民と、現状のバスの利便性を以前より高く評価する住民が混在する。今後はバスの利便性をさらに向上させ、地域内の公共交通の充実をはかろうとしている。

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