鉄道(レールバス)廃線前後の行動・意識の変化
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1 1. 調査の目的と意義 1.1 調査の目的 豊田市の中心部(豊田市駅)より北東部へ伸びていた鉄道のうち、猿投駅から西中金駅までの区間(レールバス区間)が平成16年4月1日に廃線となった。鉄道(レールバス)が廃線となるまでには、地元で存続するための検討も行われていたが、乗客数の伸び悩みもあり、維持管理面で継続運行は不可能という判断となり廃線に至った。 その後廃線となった地区には鉄道(レールバス)廃線と同時に路線バスが運行されるようになったが、鉄道(レールバス)廃線前後の行動や意識がどう変化したのかを鉄道とバスの違いを踏まえ、鉄道(レールバス)廃線の影響の受け方が異なる*3地区を対象に調査し、それぞれの地域が公共交通の変遷によりどのような意識の変化があったのか、また、行動の変化があったのを明らかにする。 *3地区 ・猿投地区:現在も運行を続けている豊田市の中心部からくる鉄道の終着駅付近の地区 ・石野地区:レールバス運行当時はその終着駅までの数駅があったところで現在はバス の運行に変わった地区 ・足助地区:レールバス運行当時もレールバスの終着駅より先にあるところでバスなどを 乗り継がないとレールバスを利用できなかった地区 1.2 調査の意義 鉄道(レールバス)が廃線となり、公共交通がバスへと変わった地区の方々の意識の変化や、行動の変化を明らかにすることで、対象地区のこれからの公共交通のあり方に対する提言などが少しでもできるようにする。また、鉄道(レールバス)が廃線となるような中山間地域などの今後の公共交通のあり方の方向性を見出していく。特に今回対象とした地区のうち鉄道(レールバス)の廃線により大きく変わった石野地区、そしてその影響を受けた足助地区の意識や行動の変化を明らかにすることは、豊田市の公共交通の今後のあり方を考える上で「鉄道(レールバス)廃線地区の現状」として有用な知見となると考えている。

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