通勤における自転車利用のあり方に関する研究
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6.まとめと今後の方向性 6-1. 研究のまとめ 通勤における自転車利用のあり方として、自転車通勤を促進するための課題や、事業所と従業員の合意が図りやすい自転車通勤促進策などを明らかにするため、「豊田市エコ通勤をすすめる会」の会員事業所を対象に、従業員調査と事業所調査を実施した。 本研究では、自転車通勤を促進する上での課題として、『費用面』・『設備面』・『その他(雨天時)』の3項目を設定した。各課題に関する本研究の知見を表6-1-1に整理する。 従業員と事業所の双方ともに受容性が高い自転車通勤促進策は、「通勤手当の拡充・エコ通勤報奨金の支給」である。この促進策に対する事業所側の受容性の高さを明らかにできたことは、今後のエコ通勤の推進に繋がる大きな成果である。 しかし、通勤手当の制度内容を従業員に周知できていない状況であるため、「通勤手当の拡充・エコ通勤報奨金の支給」を講じなくても自転車通勤へ転換する可能性もある。まずは、従業員の「自転車=手当てが出ない」という固定概念を是正できるよう、従業員の通勤実態を把握するなどの細やかな通勤管理を行うことが必要である。 6-2. 今後の方向性 今後の方向性を以下に整理する。 • 調査結果の分析では、例えば「自転車通勤者」と「自転車通勤者以外」など、大きなグループで分析を進めていたため精度に課題がある。対象者の属性に絞った分析や事業所の立地場所を加味した分析を行う。 • アンケートにご協力いただいた事業所へのフィードバックを行い、従業員調査結果に対する事業所の意見を伺う。 • 自転車通勤の促進を検討している事業所などに働きかけ、促進策の展開における合意形成過程や転換要因などを調査する。

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