通勤における自転車利用のあり方に関する研究
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5-2-1. A事業所カルテ A事業所の自転車通勤カルテを表 5-2-1に示し、従業員調査で明らかとなった通勤手当を高く支払うべき手段と促進策の受容性の集計結果を図 5-2-1に示す。 表 5-2-1 A事業所の自転車通勤カルテ 現在は駐車場の維持管理を課題と感じており、将来的には駐車場の確保も課題と感じている。エコ通勤については担当者レベルで勉強中であり、自転車への転換の促進に努めている。勤務地周辺の渋滞はあまり深刻でないと感じており、自転車通勤を行っている方がアンケートに回答した31名中5名、自転車通勤を考えている方が3名である。また、現在の通勤手当に満足している方は62%で、自家用車の利用を抑制するカーフリーWeekへの賛成意識は高くない。事業所調査結果○ 自転車利用者は自動車からの転換者にのみ支給している (転換後の自動車利用は認めないことを原則として一律2,000円/月)○ 自転車保険の補助を、従業員調査結果を踏まえて検討する意向従業員調査結果□ 自家用車と自転車の通勤手当を同じぐらい支払うべきとの意識が高い□ 電動自転車補助を講じることによって自転車通勤を考える方が最も多い□ 自転車通勤者へ手当てが支給されるかを質問したところ、「払われない」  「わからない」と回答した方が81%である事業所調査結果○ 設備が充実した駐輪場ではないが、スペース的な問題はない○ 事業所管理のレンタル自転車(自転車配備)を、従業員調査結果を  踏まえて検討する意向従業員調査結果□ シャワー室を整備ことによって自転車通勤を考える方が30%、  事業所管理のレンタル自転車(自転車配備)の整備では27%であった事業所調査結果○ 自動車から自転車に転換者には荒天時の自動車利用の特例を検討○ 雨天時における公共交通運賃の支給、雨具などの雨天時装備の支給は  検討しない従業員調査結果□ 雨天時装備などの備品に対する受容性は低いが、公共交通運賃支給など  のサポートを行うことによって自転車通勤を考える方が32%であった自転車通勤者への一定のサポートは実施しているが、自動車からの転換が原則となっているなど、自転車利用の促進策として不十分な点もある。今後は、自動車からの転換者だけではなく、自転車通勤そのものに対する手当てを検討することが更なる自転車利用の促進となると考えられる。費用面総評事業所の現状従業員の意識その他(雨天時)設備面

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